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ジャッキー ファーストレディ 最後の使命のodyssのレビュー・感想・評価

3.0
【説明的な映画ではないが】

ケネディ大統領夫人だったジャクリーヌ(愛称ジャッキー)。

夫の暗殺後、ホワイトハウスから転居し、そこでジャーナリストの取材を受けるという形で、暗殺の直前直後や、ホワイトハウスでの様々な体験、夫の死後ホワイトハウスから退去するに際しての経緯、夫の葬儀をどうするかに関する思惑・・・などなど、大統領夫人としての様々な体験を再現した映画です。

ヒロインを演じるのはナタリー・ポートマン。

テーマを絞り込んできっちりドラマ化するというよりは、ドキュメンタリーのような生々しさを出すことに重きをおいているようで、ジャッキーの性格や、その時どきの発言・行動も必ずしも一貫性を持たせていません。時間軸に沿った作りにもなっていないし。

ケネディ在任中に、当時世界的なチェリストだったパブロ・カザルスをホワイトハウスに招いて開いた演奏会も再現されていますが、その場面もあまり説明的ではないので、そういう事実を知っているクラシック・ファンでないと見ていてよく分からないでしょう。

というわけで、分かりやすいドラマを望む人にはお薦めしませんが、ケネディ暗殺事件の前後を夫人を中心にして再現した映画としては悪くない。
暗殺後の様々な局面で大統領の弟ロバート・ケネディが重要な役割を果たしていたこと、夫人は夫の葬儀に際してリンカーン大統領の葬儀を念頭においていたことなども、この映画を見ると分かってきます。
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