ケネディ暗殺後の数日間をその妻ジャッキーの視点から見た作品。
ただジャッキー視点、といいつつある記者とのやり取りの中でジャッキーの回想に行き来するため、時系列がちょっとややこいかも。
夫が暗殺された後、人々は坦々と彼の隙間を埋めていくように新しい大統領を決め、着々と機械的に葬儀の段取りを進め始める。
ここから描かれているのは大統領の栄光を見つめていた妻ではなく、最愛の、誇りであった夫を失った妻、つまり女性としての”ジャッキー”を描こうとする。
ただ難しいのは史実であるゆえにドキュメンタリー的な要素を取り入れてみたり、60年代を表現するために一部色味を変えたり(テクニカラーっぽいのかな?)しているんだけど、逆に統一感が無くなってしまった印象。
回想の部分で衣装にも赤が多様されていたから、逆に赤推ししたらちょっとは回想部分はわかったかも…?(それだと作り物すぎるか)
現代から過去を表す難しさ。
良いなと思ったのはケネディ暗殺時のジャッキーの衣装や装いの徹底的とも言える再現。
あのピンクと紺のシャネルスーツを着たジャッキーが飛行機から降りたときの薔薇まで同じく、私の中で写真でしかなかったものが映像で表されたことでぐっとリアルに感じた。
シャネルスーツが赤く染まる瞬間、ジャッキー演じるナタリー・ポートマンの涙。
ジャッキーよりも美しすぎるジャッキーだったけど、演技は良かったな。