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ジャッキー ファーストレディ 最後の使命のMiriのレビュー・感想・評価

3.1
彼女は彼を偉大にしたかった
彼は彼女と時代によって歴史に濃く名を残した


さて。
世界でも未だに語られるナゾであるケネディ暗殺事件。
真相やいかに?、ってのも気になることではあるけれども今作ではそれはおいといて。
今回は大統領夫人・ファーストレディであるジャクリーン、彼女の視点から事件とその後が描かれます。

まず。ケネディとジャクリーンが一回り、つまり12歳離れてたことにびっくり。笑。いいけど。別に笑。

あんまり、そんなにいいヤツじゃないケネディなんですが。未だにアメリカ国内では人気の高い大統領でございます。それはやっぱり人気を全うする前に暗殺されたってことで行われた盛大な葬儀とそこからくる神格性、その後来たアメリカの良い時代ってのに少なからず影響を受けている部分はあると思うのです。うんうん。

ジャクリーンは最後、彼を偉大な大統領として名を残すためにいろいろやるわけです。過去暗殺された大統領はその時点で3人だけど、リンカーン以外のことはあまりみんな知らないってことでリンカーンの葬儀の踏襲。
そして、図ったかどうか定かではないけれども子どもの手を引き葬儀に向かう様と棺とともに行った行進。
これは、ケネディの名を後世に大きく残すのに十分で効果的なものだったというわけです。

うんうん、そう思う。
ケネディがした政策とか私生活とかそんなに名が残るようなものではないような気がするんです。あー、キューバ危機は別モンだな、いろんな意味で…やけど、最後ジャクリーンが演出したことでの現状。

真相は定かではないけれども、描きたいことはよくわかった。
でも、もう少し彼女自身にも焦点当ててほしかったなぁ。
葬儀という作業が残された者にとってどういう意味を持つのか。ここ。特に。そして彼女の場合、同時並行的にホワイトハウスからの退居ってのが少なからず特別な意味を持つと思うんだけどなぁ。ケネディをこんなふうに偉大な大統領として後世に残したいって思った背景に。そして彼女自身の名を残すことも。でも、この彼女自身の名前を残すことに意図的な意味があったのかはもうほんまに定かではない。こればっかりはわからん。

で。セルフプロデュースがうまい人だなぁと思いました。人からどう見られるのかというのをよくわかってる人。行動にしろ服装にしろ。これって公人は特に大事なんちゃうかと思う。

あとは、CHANELが協力っていうのもシビれたなぁ。あのピンクのセットアップと帽子は本家もCHANELだったわけなので。感動。

そして、BGM。ともすれば不協和音のような長調とも短調ともとれない、そして張り詰めた弦の音。これが、彼女の心情とアメリカをはじめとした世界の状況をだいぶ反映してたんちゃうんかと思いました。

まぁ、なんかちょっと思ってたのと違くてもう少し掘り下げてほしかったっていう消化不良感は残ったけど、ナタリー・ポートマンうまかった。髪型と化粧と衣装でこんなにも似るんだなぁ…(本家はもすこしふっくらして目離れてるよね)ケネディ家の面々もそれとなく似てた!笑
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