風来坊

ザ・ディスカバリーの風来坊のレビュー・感想・評価

ザ・ディスカバリー(2017年製作の映画)
3.0
ある科学者が科学的に証明した死後の世界の存在は、平穏な死後の世界を求めた人々の大勢の自殺者を生んだ…。科学者はそれでも人里離れた施設で実験を続ける。そこへ神経学者である長男が訪れ反発しながらも実験するを手伝う事になるのだが…。アメリカ製のヒューマン・ファンタジー映画。

死後の世界をテーマにした映画は数多くあるが、それが社会問題となるというのはありそうでなかった設定で興味深く感じました。
そりゃあ死後の世界が確実にあると分かって、その世界が平穏に満ちているなら苦労や痛みばかりの今の世界に用はないですよね(笑)

自分の考えや信念を絶対に曲げない科学者。世界が悲しみに満ちても飄々とした感じで頑固なロバート・レッドフォードさんの雰囲気に合った役柄で説得力がありますね。キャラクターとしては大嫌いですが(笑)
ルーニー・マーラさん演じる女性もデリカシーが無いし、サバサバとしていて好きになれなかった。サバサバの理由はちゃんとありますけどね。

劇中の台詞でもあるように研究施設と言えば聞こえが良いがカルトというか宗教に近いような雰囲気。そうであると疑わない異なる意見を聞かない、教えに背いたら追放もそっくりカルト。他人の死体を簡単に利用するのもなんだかねぇ…。

終盤の展開と謎解きの行方は面白かった。
死後の世界というよりはデジャブというかタイムトラベル的な感じは「バタフライ・エフェクト」を彷彿とさせました。
結局はそっちに行くのかという感じはありましたが(笑)
あの時こうしていたらどうなったのかの葛藤や結局は悲しみはそのままで繰り返されるというような切なさも「バタフライ・エフェクト」に似ていた。

それならこれは辻褄が合わないとか疑問もありますし、どうしても前半のカルト宗教的な感じが好きになれず個人的にはイマイチでしたが、それでも評価は高い映画なのでスピリチュアル的なラブロマンス的な話が好きな人にはハマる映画ではないかと思います。

まとめの一言
「人は過ちを繰り返す」
風来坊

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