荒野の狼

ザ・ディスカバリーの荒野の狼のレビュー・感想・評価

ザ・ディスカバリー(2017年製作の映画)
3.6
すべてが仮定、仮説で成り立っているSF映画の難しさは、そのエンディングをどうするかに集約される。流れそのものはどんなに荒唐無稽の空想でも、その落とし所にはそれなりのリアリティーが無ければ、ぜんぶ現実離れのヨタ話になってしまうからだ。これが宇宙を舞台にしたスペースものであれば、別世界という事で収まりもつくが、日常を絡めたお話となると、いかにもありそうだと思わせる様な現実的な結末でなければ、竜頭蛇尾に終わる。結果が誰にもわからないから、SFというジャンルがあるわけだが、つまりそうであるからこそ、そこがあやふやにならざるを得ない、というジレンマが常にある。特にこの映画の様に「死」を扱う場合、この死というものが我々にとって未知であるだけに、単に一つの解釈として作りました、ではどうにも寝覚めが悪いのである。とんでも機械が出てくるが、全体としてそれがさほど不自然には見えぬ作りになっているのは、俳優さんと脚本がいいからかもしれない。
荒野の狼

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