えりみ

マジカル・ガールのえりみのレビュー・感想・評価

マジカル・ガール(2014年製作の映画)
3.8
劇場公開時気になってましたが間に合わずWOWOWで。
小学生の子供と一緒にみても親は絶対説明出来ないでしょうからR15+でいいんじゃないでしょうか、いっそR18+でも。
スペインって太陽!情熱的で明るい!っていうイメージなのに、スペイン映画って往々にして真逆の雰囲気を醸す作品が多いイメージ。湿度こそ感じないけどゾワゾワするというか。スペイン経済危機の影響が反映されてるのでしょうか…今作の監督は'80年生まれマドリード育ち「日本文化は僕の血肉」というかなりディープな人、見た目はラスプーチンっぽいしw
80年代アイドルソング(まさか長山洋子のデビュー曲とは分からず。今は演歌歌手としてご活躍デス)で始まる映画ってスペイン人にはどういう風に映るんでしょうか。
アニメネタは別として「なんだか黒沢清作品っぽいな」と思いました。
肌色に血の気がないとか見せない演出とか。
冒頭、少女バルバラにコケにされた教師が後の守護天使元受刑者のダミアンってことでいいんですよね?そんでもってラストの「だって持ってない」にぐるっと繋がる円環構造で〆ると。
運命に翻弄されるかのようにドツボにハマる男を『あのタイミングでそうしていなければねぇウフフ』と神の目線で見て楽しむ映画なんでしょうか。魔法じゃなくてマジックやろ!?とかそういう事言っちゃだめなんでしょうね。。。

魔法少女コスのアリシアちゃん(白血病=放射線治療=毛が抜ける=ショートカットはファッション違うかったんか(><))が物語を回すと思ったらそうでもなく、ピッチリ上までシャツのボタン留めるファッションが印象的なメンヘラ女バルバラがメイン。体中の傷、元娼館勤め(女主人アダが現役感漂わせてるところがちょっとツボ)と詳細は何も明かされないが闇は深そう。トカゲの部屋も。何が一番気になるって眉間の裂傷がどんどん広がってるような気がするしみてるうちにタテノキズガアソコニミエテキテ…
ファム・ファタール=運命の女・魔性の女・悪女
「世界」「悪魔」「肉」スペイン人はほぼカソリック。
ハマったかというとハマらなかったんですが、この監督がまた映画撮ったら観てみたいなとは思いました。
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