佐藤克巳

君と行く路の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

君と行く路(1936年製作の映画)
4.5
私の祖父母の青春映画であり、成瀬巳喜男監督「乙女ごころ三人姉妹」以降の作品に、東宝青春路線の元祖的傾向を発見した気持ち。遺産分けで鎌倉別荘に住む妾母清川玉枝、長男大川平八郎、次男佐伯秀男に、隣の成金別荘に大川の恋人山縣直代、その親友で二人の恋文の橋渡しをする堤真佐子。山縣に見合い結婚が進展するが、妾の子の劣等感から大川の心境は乱れる。山縣は見合い嫌さに別荘を飛び出し、大川は、成金の執事から恋文の精算を要求され怒り心頭で車を走らせ路上落下で絶命、その死を後追い自殺する山縣。佐伯と堤の恋仲も破局を迎えた。山縣の清楚な美しさと堤の現代娘好演が無残な悲劇に花を添えた。
佐藤克巳

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