スタンダード

ビニー/信じる男のスタンダードのレビュー・感想・評価

ビニー/信じる男(2015年製作の映画)
5.0
【ゲット スマート】


昔テレビ番組で、
『超肥満男性がダイエットを決意』して、
『スマートな体型になるドキュメント』
が放送されていました。


『よくある題材』ですが、
彼の苦悩はダイエット"後"にありました。


『常に食欲が湧いてくる中』で、
『常に己を制御する必要』があり、
『あの頃には戻りたくない』
という気持ちだけで、
『何とか体型を維持している』
とのことでした。


【負けないで】


あれから数年が経ち、
『彼は欲望に負けたのか?』
『未だ戦い続けているのか?』
ずっと気になっています。


それ以上に気がかりなのは、
『彼の戦いを称賛する者はいるのか?』
『彼の孤独を理解する者はいるのか?』
という点です。


彼の戦いを『可哀想😢』
だと同情する人はいるでしょう。


だがしかし、
『よく負けずに耐え抜いた!』
『君は立派だ!』
と声をかけてくれる人は、
ほんの僅かではないでしょうか。


【ハピネス】


人は、"幸福"になりたくて努力をします。


しかし、
『努力の先』には幸福ではなく、
『終わりなき戦い』が延々と続きます。


ビニーの人生も、
『戦いの繰り返し』でした。


【ビニーの一生】


本作の主人公ビニーは、
"死"を怖れるのではなく、
"戦えなくなる"ことを怖れています。


彼の脳裏によぎるのは、
『幸福な一瞬』ではなく、
『苦痛の日々』なのです。


普通の人にとっては『トラウマ』でも、
ビニーは『生きる糧』にしてしまいます。


【信じる男】


瀕死のビニーにとって必要なのは、
『共に嘆いてくれる男』ではなく、
『共に信じてくれる男』でした。


彼にとっての幸福は、
戦いの"先"ではなく、
戦いの"中"に存在していたのでしょう。