映画初心者

カルテル・ランドの映画初心者のレビュー・感想・評価

カルテル・ランド(2015年製作の映画)
4.0
トランプ米大統領が大統領選の時に「メキシコ国境に壁を建設する」と言い、それがアメリカ国民にある程度支持された理由がよくわかるドキュメンタリー映画。

メキシコでは武装した犯罪組織が「他の犯罪組織から守る」という名目で一般の人々に上納金を課し、断れば虐殺される。警察、政府も賄賂と癒着で一般市民を助けるどころか放置する始末。そこで一人の町医者ミレススが立ち上がり自警団を組織、麻薬カルテルを取り締まっていくのだが…

自警団結成したはいいが、規模が大きくなるにつれてリーダーのミレススが自警団をコントロールできなくなり…
とまあこの手の話ではお決まりのパターンの話なのですが、これがドキュメンタリーだというのが凄い。映画のような展開でドキュメンタリーなのか一瞬疑ってしまいました。あと、みんなプロの役者さんじゃないのと思うぐらいキャラが立っててびっくりしました。
あのラストシーンを見るとこの世に神様なんていないんだなとつくづく実感します。

アメリカの自警団が不法移民のせいで仕事がもらえないと言っていましたが、結局それが見過ごされているのは、経営者側にとっては自国民より安い賃金で雇えるから。
またメキシコの麻薬カルテルがなくならないのも政府の人間が賄賂をもらいグルになっているから。
結局金持ち、権力者が得をするようにできているんだなと改めて実感させてくれる映画。
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