カルテル・ランドの作品情報・感想・評価・動画配信

「カルテル・ランド」に投稿された感想・評価

KEI

KEIの感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

メキシコのミチョアカン州。
この街を支配しているテンプル騎士団の圧政に
業を煮やした住人達が武器を手に取り自警団を
組織して自分達の街を取り戻すまでを描いた
ドキュメンタリー映画。

注意としてドキュメンタリー映画の為、
本物の生首や惨殺死体が映像や写真で出て来る為、そういった物が苦手な方の視聴はオススメ出来ません。

町医者のホセ・ミレレスさんが中心となり、
自警団を組織しどんどんカルテルの支配領域を
奪取していく。
街の住人からも英雄扱いされ、考えに賛同して仲間も徐々に増えていく。
ここまで観て、勧善懲悪的な話しなのかな?と思っていたら事態は最悪な方向に向かっていく...

組織が巨大化するにつれ自警団の行き過ぎた尋問や強奪行為、特にカルテルメンバーと疑わしき男を娘の前で脅迫に近い尋問、それに対して泣き叫ぶ娘。
『お父さんが死んだら私も死ぬ!!』
もはやどちらが悪なのか観ていて分からなくなってきてしまう。

また自警団自体が次の麻薬カルテルになってしまう辺り、ミイラ取りがミイラになるといった感じでカタルシスは全く生まれない。
メキシコで麻薬カルテルが無くならないのは、
カルテルのやり方に不満を持つ者達に倒され、またその者達が新しいカルテルを作る。
その繰り返しなんだなという事を実感。

監督のマシューハイネマンはカメラと自分の身体のみで自警団に密着し、銃撃戦の最前線でカメラを回し続けていた事は凄くジャーナリスト魂を感じます。
mikan

mikanの感想・評価

3.8
メキシコ麻薬戦争の状況を自警団創立者のミレレス医師を中心に追うドキュメンタリー。
テレビ番組等を見て何となく分かっている気になってた…この映画を見るとあまりの残虐さ、非道さに絶句する。
一番最初のカルテルの語りが現状を総括している。
※殺された方々の映像も出てきます。
苦手な方は注意してください。
麻薬を買うことはカルテルをのさばらせ何の罪もない民間の人たちを苦しめることに繋がる、ということがよくわかるドキュメンタリーだった。

ミレレス医師のようなカリスマが一人いるだけでは駄目で、市民一人一人が関心を持つ必要があるのに、国民性なのか何なのかメキシコの人々は驚くほど関心が薄く、そのことに恐ろしさを感じた。あの状況下で明日は我が身だと思えないなんて完全に麻痺している…自警団の演説に対して「警察や軍は法で認められている!あんたたちは法で認められてないじゃないか!」と興奮して反論しているおじいさんなんて老害そのものだなと思った。そもそもその法律があなたの国では機能してないんだから意味がないんだよ…

後ろの方で自警団はミイラ取りがミイラになってしまう展開になるんだけれど、その顛末にはほとほと嫌気が差した。人類が存在する限り悪はなくならないし、地球にとっては人類は有害な存在でしかないから人類自体が早く滅べばいい…
Yukiko

Yukikoの感想・評価

3.9
2021年8月11日
『カルテル・ランド』 2015年メキシコ・アメリカ制作
監督、マシュー・ハイネマン。
他の監督作品に『プライベート・ウォー』がある。

メキシコのミチョアカン州。
ドクター・ホセ・ミレレスは医師。
麻薬カルテル、テンプル騎士団に反対し、住民を
組織。
ミレレス医師率いる自警団は町からカルテルを
追い出す。
もう一方のアメリカ、アリゾナ砂漠地帯。
コカイン通りと呼ばれるオルター・バレー。
ティム・フォーリーはアメリカの退役軍人。
メキシコからの麻薬密売を阻止するため、
アリゾナ国境偵察隊という自警団を結成。
それぞれの組織は、次第に組織拡大と
なっていくが…。


ドキュメンタリー映画です。
内容はおもしろいのだが、とにかく観ていると
直ぐ眠くなり、観終わるのに4日間もかかって
しまった。

ミレレス医師はリーダーシップがあり人格者で
とても良いことをしているように思える。
が、女癖が悪かった。

このミレレス医師の行き着く先が悲しい。
飛行機事故に遭っても、命を取り留めたと
いうのに。
家族を大事にしなかったのも問題。

アリゾナ偵察隊はよく分からん。
なんか、疑似戦争の現場みたい。
そこの隊員達はワクワクしているように見えた。

片や、テンプル騎士団は麻薬作りに忙しい。
「絶好調だ」って。
麻薬で妄想しているって事はないのだろうか?
Shiho

Shihoの感想・評価

3.8
この監督のドキュメンタリーは見応えあるわぁ。
平和ボケしてる日本では世界のどこかでこんな実情が繰り広げられている事をほとんどメディアが取り上げないもんな。
表面の薄っぺらいところばかりでは無く
こういう事をもっと取り上げるべきだと思う。
混乱に呑まれた状況のなかで、混乱を終息させるために権力機構を打ち立て、それを根付かせるのは案外簡単だ。なぜなら人は「熱狂」に呑まれやすいからだ。

問題なのは、そして重要なのは、いかにその熱狂に永遠不滅な「理性の光」を与えるか。「"権力"を規制する権力」をいかに樹立させ、機能させ、監視するかにある。
えっぐい胸焼けドキュメンタリー。

メキシコの麻薬カルテルは見せしめのために殺した人間の生首を晒すって聞いたことあったけどマジだった。首吊り死体も生首も銃撃で亡くなった方々もバッチリ映ってる。
そんな奴らが恐怖で街を支配できてしまうほどメキシコは法治されていないのかと愕然とする。だってこれ2014年の撮影だよ。

麻薬製造や不法移民をアメリカに流すだけでなく、みかじめ料と称して住民を暴力で支配する麻薬カルテル。

政府ですら見て見ぬふりをする彼らに対抗するために武器を持つ、自警団に密着したドキュメンタリー。メキシコ国内の自警団のリーダーと、国境付近で戦うアメリカの自警団のリーダーそれぞれの視点で語られる現実。

自分が正義であると信じて、自分と仲間だけを信じて闘うしかない現実。
自警団だから政府や国民からの風当たりは時折厳しい。

それでもアメリカのアリゾナ国境自警団のリーダーは孤独な戦いの中でも自分を強く持っている印象があった。

でもメキシコ国内は絶望的だ。
カルテルと戦うための自警団も肥大化するに連れて腐敗が進み、自警団内にも密かにカルテルの人間が入り込む。そして自警団も略奪や暴力行為を行い始める。手を焼いた政府は自警団を警察組織として法的に取り込む。結果としてカルテルに政府の金や武器が流れる。

どんなに強い意志を持ったリーダーがいようとも、組織の肥大化と腐敗による負の連鎖は止められない。こんな絶望的なメキシコに未来はあるのか。

自警団を追われ収監され、おまけに自身の女癖により家族も失ったミレレス医師は今生きているのか。
年間1万人が殺される
"善"の定義が存在しない
生きる手段がそれしかないから、だれもが組み込まれる。
そこに勇気あるものが自警団を組織する。

「怪物と闘う者は、自らが怪物とならぬよう心せよ」と云ったのはニーチェ。
その言葉が常に頭の片隅にあって観ていたけど、エンディングではその言葉すら霧散した感じ。
アメリカ大統領選挙でのトランプの演説—―—「メキシコ国境に高い塀を築いてしまえ」
それの真意すら疑いたくなった。

"衆愚の極み"
いとも簡単に乗り易い、一致団結が得意な日本にとって、これって対岸の火事じゃないですよね。
下手なホラー映画より背筋が凍る作品
これドキュメンタリーですから。
mh

mhの感想・評価

-
メキシコの麻薬禍と自警団についてのドキュメンタリー。
自警団も警察もダメすぎて嘘くさいんだけどそれが現実。一周回って映画みたいになっちゃってる。現代メキシコがいかにやばいかよくわかる。
自警団に紛れ込む麻薬カルテル→肥大化した自警団を政府が警察として取り込む→政府の金で武装化することができた麻薬カルテルとか、絶望的なコンボを見せてくれる。
転がりが良くって映画みたいなのに、カタルシスはないのがリアル。
リーダーが女に節操なくてカメラの前で口説いてるんだけど、そういったカオスがメキシコという国によく似合ってる。
「プライベートウォー」が面白かった流れで同じ監督さんの初期のドキュメンタリーを借りたんだけど、これも面白かった。
柔道家

柔道家の感想・評価

4.5
これは衝撃的!
事実に基づいたノンフィクション作品ではなく、完全ドキュメンタリーというんだから信じられない。
これがメキシコのリアルなのか・・・

ドキュメンタリーということなので、死体も本物。
よく日本で公開できたなぁ。

メインはメキシコで立ち上がった自警団の話ですが、政府がどうにもできないカルテルに連戦連勝というホンマかいなという展開。
どう考えても、一般市民だけでは無理だろう・・・。
ただ、相手のアジトへの突入時のへっぴり腰を見ると、そこに映っている人達は一般市民のようだ。

突如起こる銃撃戦に、幹部を捕まえるシーンも撮影されており、捕まえた幹部への暴行シーンも映っている。
銃撃戦で命を落とした方の死体も・・・。
カメラマンも命がけ。

自警団がセンセーショナルに取り上げられていったが、とある町の住人は誰でもいいんだと。
政府だろうが、カルテルだろうが、自警団だろうが、街に安心をもたらせてくれるのであれば誰でも。

そして、最終的には絶望しか残らない。

本当に、日本に生まれてよかった!
自分の悩みや抱えている問題なんて、メキシコの人々に比べれば大したことないんだから、頑張れと自分にはっぱをかけられます。
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