いりぽん

シティ・オブ・ゴッドのいりぽんのレビュー・感想・評価

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)
5.0
「8mile」よりも「8mile」してた。

安易に星5付けちゃった気もする。
だがしかし、面白すぎた。

こだわりの低解像度の画面、ハンディブレと頻繁なカット割で攻めの演出だなと思えば、たまに静かでオシャレな画面にしてくる。などなど...
まさしく変幻自在で、とにかくかっこいいフィルムにしたい時に真似すべきことの全てが詰まってる気がする。
個人的には浜辺で2人きりになるカットやベネの送別会のシーンが特に好きだったかな。

演者も演者であそこまでアグレッシブに貧困街特有のバイタリティを表現できるのはすごい。たぶん本当にそういう人を起用してるんだろうな。

勢い溢れる忙しないフィルムはある時突然長回しのFixになる。
初めから映画を見たなら誰がどう見ても終焉だと分かるエンディングも実に見事。

肝心のストーリーも完全にオチを付けてて見事に締めくくられていた。
こういうの大好き。
色々とカオスで、主人公が地味とも言えるが、それでもかなり分かりやすくサクセスストーリーを土台としてるのが見て取れる映画でもあった。

暴力に彩られた世界を誰も傷つけずに脱出するっていう、
何と美しいアンチテーゼ。


誰も置きざりにしない爽快活劇。
一度は見て損はない。
いりぽん

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