樺太柳葉魚

プレーム兄貴、王になる/プレーム兄貴、お城へ行くの樺太柳葉魚のネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

田舎役者のプレーム兄貴は、洪水被害に遭った町の復興に協力してる最中、マイティリ王女を知り、その美貌や優しさを好きになります。王女の為に芝居の売上まで募金に回す始末。そして募金を王女に手渡したくて出掛けようとします。小学生みたいだな。真面目な小学生が使う貯金箱みたいなのを持って行くんですよ。その頃、王女の婚約者でありプリータムプル王国の王太子ヴィジャイは、王位を狙う異母弟アジャイの策略で重傷を負い、治療の真っ最中。即位式が間近に迫った状況で王太子が暗殺されかけた、なんて公表できない。ヴィジャイも何だか「ひらけゴマ」と唱えないと開かなそうな洞窟でこっそり治療を受けてる。しかも、薬は警護長のサンジャイが町の薬屋さんで買ってくるのですが、そんなんで大丈夫? サンジャイは買い物中にヴィジャイそっくりなプレーム兄貴に出会うのでした。そっくりな訳ですよ。サルマン・カーンの一人二役なんだから。プレーム兄貴を宰相に会わせ、ヴィジャイが回復するまでの代役とするのです。弟分のカナイヤは爺さんに変装して、ヴィジャイの写真を撮る為について回るという設定。ヴィジャイに扮したプレームは、実は王家は結構ぐちゃぐちゃな状態だと知るのです。異母弟のアジャイとは仲良しのふり、異母妹のチャンドリカとラディカは弁護士を通さないと会話に応じない。そして婚約者のマイティリ王女とは喧嘩ばかり。全然幸せじゃありません。プレーム兄貴、この状況を改善せずにいられないのです。まずはマイティリ王女と和解する為に奮闘するのですが、観ている側としては、偽者なのに仲良くなって大丈夫だろうか?と思わずにいられない。ヴィジャイは悪い男ではないのですが、短気だし頑固。戻った時、またマイティリ王女に冷たくしたら?そんな心配をよそに、プレーム兄貴、今度はチャンドリカとマティカ姉妹と仲直りしようとします。しかしチャンドリカはなかなか手強い。実は姉妹の母親は妃ではなく愛人という扱いで、城で暮らせず、別宅住まい。寂しくて泣いてばかりいた様子。でも城にはアジャイの母親である王妃が居たから、別宅の方が穏やかに暮らせると思うんだけど。ヴィジャイの母親は幼少期に亡くなり、後妻がアジャイの母親。この物語がスタートした時点では母親達は全然鬼籍に入っています。回想シーンに登場したアジャイの母親は猛女というか、激しい性格の持ち主。一緒に暮らしたら気苦労が多そう。しかし姉妹は泣いていた母親の姿が心に焼き付いているので、王家への恨みが強い。兄として認めてほしいのなら、城を寄越せと無理難題を吹っ掛けます。それに対し、承知してしまうプレーム兄貴。ちょ待てよ。自分の城ではないのに勝手にあげちゃうの?ヴィジャイに怒られるよ?実は私、今回2回目だったんですね。初回の時、プレーム兄貴って能天気で、あまり考えずに行動する男というイメージだったのですが、今回その印象が変わった。プレーム兄貴、愛を知らずに育った姉妹に愛を与えたい、姉妹の気持ちに寄り添いたい、姉妹を笑顔にしたい、そういう気持ちが溢れている。能天気に承知したのではなく、姉妹を幸せにすることが王家の幸せに繋がる、ヴィジャイもそれを望んでいると考えての行動。穏やかで優しく、ダンスも上手でユーモアがあり、機転が利く。しかもマッチョなイケメン。これは惚れる。
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