はるな

SCOOP!のはるなのレビュー・感想・評価

SCOOP!(2016年製作の映画)
3.9
最初はクサく感じて苦笑いだったが。少し予想と異なっていて、物語展開に吸い込まれた。展開の緩急のつけ方とゲーム音楽的電子音のミュージックが惹きつけられた。

福山雅治がちょっと笑っちゃうぐらいのゲスいというか、古いというか。やりすぎじゃない?みたいな。コルクチップのタバコを吸って、アロハに革ジャン、夜遊び、バブル時代の余韻といいますか...
基本登場人物のキャラクター性が強くて、初め観ていると笑っちゃうが、どこか愛着を抱くというか...義理人情に厚い姿が好感を持てるからですかね。

大根監督の作品は何かしらの元ネタがあるので有名だが(例えば「モテキ」は「500日のサマー」がベース。今回は「盗写1/250秒」)、うまく現代性と人間臭さをマッチングして昇華させていく印象。例えば今作品だと電子タバコや過去の思想の強い雑誌への回顧をぶった切る場面や、さり気なく自己存在を問う言葉回しとか。だからただのゲスくてクレイジーなエンターテイメント映画で終わらないし、ちょっと腑に落ちる感じが残る。
あとはこの話の基本構造が、二階堂ふみと福山雅治のナイスバディものという王道シナリオで固められているから、どんなにゲスいシーンでも痛いシーンでも全体的には面白く感じれるというか。そこの雑多が絶妙。

さり気なく松居大悟や塚本晋也など、映画監督さんがさらりと出てるのも面白いです。展望ショットなど綺麗なので、観るなら映画館で観るべきかなと。

大根さんは何故毎度編集部が舞台の作品を作るんだろうか。それも作家性というもの?
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