YokoGoto

SCOOP!のYokoGotoのレビュー・感想・評価

SCOOP!(2016年製作の映画)
2.9
ーつまらないという訳ではないけど、主人公のキャラに陶酔できないー

『恋の渦』の大根仁監督作品なので、映画全体はうまくまとまっている印象はあるが、どうにもこうにも、福山雅治さん演じる中年パパラッチに感情移入できない。(『恋の渦』は最高♫)

スクープに貪欲なパパラッチがテーマといえば、ジェイク・ギレンホールの『ナイトクローラー』が、すぐ思い出されるが、話の内容は全く違っていて、本作は後半に入ってセンチメンタルなヒューマンに向かっていくあたりも、全く別物。
だからといって、どっぷり感情移入できるかというと、そうでもない。

(『ナイトクローラー』と公開時期が近すぎて、映画ファンはどうしても混乱するし、比較してしまうので、かなり不利な状況にあると思う。笑)

ある事件で躓いた中年カメラマンという役どころなのだが、主役の福山雅治さんの汚れ方が不満足。ハッキリ言ってしまうと、演技が物足りない。(というか、俳優ではないので当たり前)
こういう役どころは、俳優にやらせないと演技が浮いてしまうし、観てる側は引いてしまうと思う。

反面、リリー・フランキーさんの怪演といったらない。
あの役どころは、本当にリリー・フランキー氏のワンマンショーのようだった。流石にすごい。

脇を固める女性陣2人(二階堂ふみ・吉田羊)は、どちらもなかなかのはまり役で、二階堂ふみさんにおいては、後半の福山さんとのカラミシーンでは、とても綺麗に撮られていてなかなか良い。

結局、人生に躓いた中年パパラッチというパーソナリティを、(あえてだと思うが)深掘りしていないために、福山雅治さんを愛でるための映画になってしまっている所が、物足りなさを感じる所。

“何があったか想像してね”、と観る側に委ねているのだが、主人公の表情や演技からは、あまり想像もできず、結果主人公のキャラクターに感情移入できない。

なので、盛り上がらない感情のままラストを迎えるので置いてけぼりを食らってしまった。主人公の人生や内面はスルーして、ただのエンタメとして観るには意味深な描写も多く、収まりつかない印象だった。
すみません。m(__)m
YokoGoto

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