一見普通の映画なんだけど、何が描きたいのかよくわからない謎の映画。
お金に余裕があった頃の90年代の邦画の雰囲気と絵面の作りが堅実な韓国映画っぽい雰囲気を併せ持つ感じも妙なアンバランス感。(これは一応褒めてる)
とりあえず主人公が安っぽい。福山さんなので汚くない。原田芳雄とかならしっくりくるのに…って思ったら本家の映画があって、まさに原田芳雄主演だった。なるほど、アンバランス感を感じたのはそのせいか。まぁでも、汚くてだらしなくて、でもどこか美学とか憂いがあってかっこいい…そんな男性像は今の時代にはどうやったって誰がやったってかっこよく映らないのかもしれない。
後半部分はソレやるならソレにもっと最初からピント合わせておけば良かったのにという印象。
二階堂ふみという最初から出来上がってる結構な年齢差のある女優相手に福山雅治脱アイドル宣言みたいな、結局脱皮させたいのかさせたくないのかよく分からない配置と展開。ハードなベッドシーンは韓国の俳優さんも脱皮宣言がてらよくやるけど、この映画はプロモレベル。いつのまにか名俳優が板についてしまったリリー・フランキーに謎の怪演させて、ロバート・キャパになれなかった男を描きたかったのだとしたら、肝心の余韻が今ひとつ。
エンディングがtokyo no.1 soulsetなのも妙に90年代感。
