ヒムロ

ジョン・ウィック:チャプター2のヒムロのレビュー・感想・評価

4.9
かつて不可能と呼ばれた暗殺を成し遂げ、裏世界から足を洗った伝説の殺し屋ジョン・ウィック。
かつてこの暗殺を誓印で誓い、助けた男サンティーノがジョンを訪ねてくる。
誓印の誓いに則って今度は自分からの依頼を受けろと言うサンティーノの依頼を断ったジョンは報復に家を燃やされてしまう。
誓印の呪縛から逃れる為、ジョンは暗殺を遂げ、そしてその後にサンティーノを殺す事を決める。


見たかったジョン・ウィックがここにある。
パワーアップした正統続編。

前作と比べて、冒頭の説明を省ける分いきなりアクションシーンからスタート。
トップスピードで走る・殴る・撃つ。
銃撃メインだった前作と差をつける為冒頭にはカーアクションと素手でのアクションも描いて幅を見せてくる。

スピンオフドラマ化もされたみんな大好きコンチネンタル・ホテルもパワーアップ。
キングスマンを彷彿とさせるような、書店や仕立て屋の隠し扉から裏の店に繋がると言う「男の子が絶対に好きなやつ」をめちゃくちゃぶち込んでくる。

アクションシーンはCARシステムや残弾管理などの要素はそのままに、流れるような鮮やかな体術を織り交ぜた銃撃シーン。
どう考えても前作よりパワーアップしているジョンの活躍は見ていてどんなにピンチそうなシーンが出て来ても、絶対負けるわけないと信じれるぐらいには強い。

前作も大概だったが、今作は前作以上に化け物じみた本物のブギーマンと化したジョンだが、一体全体何故、彼を殺そうと裏社会は諦めないのか。
もうジョン・ウィックだけアンタッチャブルな存在として特例を出さないと、どう考えてもジョンに殺される殺し屋の数が多すぎて採算が取れない気もする。

ラストシーンでは鏡の迷路での戦闘になり「なるほど強すぎるから鏡を使って惑わすのかぁ」と演出に感心したのも束の間、ジョンだけが鏡に惑わされず無双しまくる。
もう全員謝ってカタギに戻してやれ。

ラスト辺りで何故かトドメを刺さない相手が居たことだけが、続編用の伏線作りの都合が見えてちょっと嫌だった。
どんだけ死にかけてても必ず頭を撃つのがジョン・ウィックの良さだろうに。
理由はなんとなくは察せるのだが、命を狙われたのに殺し屋のポリシーより優先するにはもう少し説明が欲しかった。
まぁラストも明らかに続編用の終わり方だったし、その辺織り込み済みの構成なのだろう。
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