純愛風なコミカル作品、、、けど良い面がありながらも惜しいところが悪目立ちしている印象の作品
本作は、いわゆるBL系の作品だが、個人的にはBLものとLGBTものは全然違うなということを確認できた作品だった。
BL系は、マイノリティーだと思い悩むシーンを一瞬でかっとばし、どのようにキスするか、行為をするかということを重視しているのに対して、LGBT系は、マイノリティーだと思い悩むことを重視している作品というイメージ。
本作は、BL系なので、マイノリティーだと思い悩むシーンがほぼなく、終始、どのようなシチュエーションでキスするかを追っているという印象。そのため、ドラマ性などほぼなく、キスシーンの寄せ集め集だったかなと。
アニメーションがこれほど豊でなかったら、駄作よりの凡作だったと思う。とにかく、アニメーションが素晴らしい。レイアウトも決まっているし、人物の動きもそれらしくなっていて、見ていて飽きなかった。また、背景も色鉛筆風な感じ、線もわざとラフなように線の太さを意図的にまばらにしていて、モブの省略の仕方も良かったし、映像面は完璧です。
繊細な作品と序盤思ったが、何かあればコミカルに逃げてしまうので、もったいないと思う。また、先生と生徒というシチュエーションが、この1時間の映画の中でいらない要素。1時間という短い中なので、先生を入れると、どうも散漫になってしまっている気がする。
そして、全部で4つの章がある作品だが、3章までは「合唱曲→和歌→バンド曲」といったように歌を取り入れたシーンがあったが、最終章では歌を添えず、受験だどうだの話になっていたのが一貫性がなく、やっぱりここでも惜しいと感じてしまった。
