【生きたいか自問自答】
この質問の解を
考えているということは、
生きたいということ。
みんな、もれなく。
不慮の事故で
ハドソン川に着水し
乗客全員が生存するという
実話の映画化。
ん?これは、ネタバレじゃないよね?
監督デビュー当初から
<生命>を主題にした作品を
撮ってきたイーストウッド。
人間、生を受けた瞬間から
死へのカウントダウンが始まるが、
イーストウッド自体
80という年を貰い
人生の比重として死への考え方に
重きを置いているのではと
思う。
アメリカンスナイパー以降、
魂という熱量の灯った概念よりも、
より洗練された<生命>への
リアリティを感じさせる作品を
撮っているように思う。
今作は、
まさに、<生命>の比重。
その少ない人生のなかの
<生命>を、パイロットに投影したのではないかと。
ノンフィクションである現実を
フィクションに埋没させる。
今回は
乗客、クルー全ての
<生命>を映像におさめる。
熱さも、感触も、
匂いも、愛も、犠牲も
すべては<生命>の集合体である。
我々が持つ五感も、<生命>の
源であるよう、
そこが死に進む限り
まったくもって、ありていではない。
一番、人間という本質が垣間見える瞬間、まさに死と直面した
瞬間に出る人間のイデオロギー。
トム・ハンクス演じるパイロット
のポジティブなエネルギーにこそ、ここ本来見せたかった、この作品の
<生命力>、まさに
イーストウッド監督の
<生命>を投影した作品なのでは
と思った。
凄く面白かった。
さすが。