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ハドソン川の奇跡のRingRingLoveのレビュー・感想・評価

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)
3.7
96分という無駄なくタイトにまとめられた上映時間で、名匠クリント・イーストウッドが描くアメリカの良心
つらく救いのない現実を突きつけるような作品も少なくないクリント監督作の中にあって、この映画は最後に人々に希望を与えてくれるものでした

突然の全エンジン停止という危機に見舞われながらもハドソン川に不時着して乗客全員が生還した航空機事故
当初英雄視された機長らは一転して容疑者扱いされてしまう
2009年の記憶にも新しいこの航空機事故を巡る査問委員会
大きな抑揚もなく紡がれるストーリーを、飽きさせず物語に引き込ませる吸引力はさすがクリントでした

淡々と突き放すように登場人物たちを描くことで、必要以上に感情移入させない演出もクリントらしかった
そうすることで物語の全貌を冷静に観客たちに提示する
演出次第でいくらでもドラマティックで大仰な英雄賛歌にできそうなものですが、それをあえて排除する「クリントの良心」でもある作品でした
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