11年も前の話なのに、未だに色褪せず、記憶から消えない未曾有の航空機着水事故。
原因は両方のエンジンがバードストライクで推進力を失ったことにあるが、僅か208秒の間に全ての状況を見極め、冷静沈着にハドソン川への着水を決断したことが凄い。
40年間、真摯に人命を預かるパイロットという仕事に向き合ってきた機長の生き方、経験、知識があったからこそ、まさかの判断ができたのだろう。
事故後、突然英雄視されて家族を含めて困惑したことも、最後のインタビューで語られていて、報道されていない一面を窺い知ることができた。
事故調のフライトシュミレーターでは、計算式のみ、人的要因を排除した形で「空港に引き返せていたはず」との結果が出ていたというから、真実を見極める難しさってあるんだなと考えさせられる。
最近もインドの航空機が大雨の中で普通に着陸を試みて失敗し、大勢がなくなる事故が起きたばかりで、余計に乗客155人全員の命を救ったこの機長はまさに神業。
トムハンクスの演技が、サリー本人の人柄を見事に表現していて本当に良かった。
