このレビューはネタバレを含みます
一夜明けてのブランチのシーンは実はとてもリアルかもしれない。「たった1人の運命の人」と「その他」と分けられるほどトキメキを感じてしまう相手。
運命の人だと思っても、気になるところや嫌な癖などを見つけてしまった途端にアンビバレントな感情が不協和音のように生じてしまう。相手が自分の求めるものでは無いのだという気づいてしまった時の感情と、それでも信じていたいという感情が同居するあの瞬間はとても苦しいものだ。
と言いつつ、それをこの奇抜な方法で表現することで、そういった「人生の渋み」を取るに足らない滑稽なものにしている。
僕たち観客からすれば、この映画に登場する全てのキャラクターも、最後にヘンテコリンな歌を歌う日本人形も、全て同じような作り物のパペットに過ぎないのだから。
