えりみ

RE:BORNのえりみのレビュー・感想・評価

RE:BORN(2015年製作の映画)
4.9
数年前に突然引退を表明したアクション俳優坂口拓。
「大阪蛇道」を最後にもう見られないのか、と残念に思っていたら名前をTAK∴に改め新作公開との情報が。
しかもアクション監督として名高い下村勇二作品!
しかし大都会東京でも小規模劇場1館のみ、しかもレイト1回だけ。
何とか都合つけて観に行ったら迷彩服姿のオジサンや体の厚みが常人離れしている人、何やら業界人ぽい人達がばったり会うて近況報告しあってるなどいつもの映画館と雰囲気が違う(-_-;)
映画の雰囲気も全然違うかった、単にアクション映画と呼びたくない緊張感と本物感。
「ジョンウィック」と同じように1対多数の殺し合いが続く内容なのに、殺し屋と傭兵(兵士)じゃこんなに違うのかと。
殺意というか殺気が伝わってきて怖い。
戦場でしか生きられない人、生き難い人っているんだと思わせる目が怖い。
安定剤をフリスクのように齧っても眠れないとか。

TAK∴の動きが別次元に進化。
劇中で彼と同じ動きをするアビスウォーカー扮する稲川義貴さん(役者ではない)が考案したゼロレンジコンバットという戦闘術を体得。
肩甲骨をグルグル動かしヌルヌル絡みつきカランビットナイフで切り裂くスピードは圧巻。
銃弾を避けるシーンがリアルに思えるなんてそうそう無い。
『HiGH&LOW THE RED RAIN』の雨宮兄弟もこの技使ってると聞いたのでチェックしないと(こないだの地上波放送ではばっさりカットされたとか)!
現在山梨県で忍者(゚д゚;)やってる坂口拓さんだけあって、闇から突如現れ音もなく消え去るシーンにも説得力がw
武器もコンビニ弁当の割り箸から一升瓶の底、携行型シャベルと本来の目的と違う使い方ばっかり。
森の中で3人vs120人バトルも凄いけど加賀温泉郷の街中でもバトル。
予算が潤沢とは思えないのに「え!?」というキャストが次々と。
ラスボスが大塚明夫さんですから(声だけじゃないよ)!

TAK∴の使うワザが全部ヤバ過ぎるので、受ける方にもスキルがないと死んでしまいそう。
しかしスタントマン、アクションが出来る役者の数は足りない。
モブキャラの顔を全員隠したのは苦肉の策だろうが装備も含め拘りを感じた。

キャスパーなる少年は…「TOKYOTRIBE」でも男の子と間違った坂口茉琴さん!彼女、坂口拓の弟子なんですって。
他にも「コントロール・オブ・バイオレンス」でアクションがキレキレやった屋敷紘子も中ボスで登場。
ナレーションが武田梨奈ってのも「スケジュールが合えば私も戦いたかった!」ていう意思表示なのかも。
世界観というか色合いなんかは「NIGHT HEAD」を彷彿と。
ドローン(マルチコプター)撮影ってなかなか難しいですな。
ハイローぐらい予算あれば別やけど、ここまで本気をビリビリ感じるアクション邦画はそうそう観られないと思うので拡大上映を切に願います。
劇伴も良かったしもっとデカイスクリーンで観たい!!

と思っていたら、シネマート新宿スクリーン1で凱旋上映してたので再鑑賞。
でかいスクリーンに画も音も迫力アップ!
終演後のトークショーに飛び入り参加の稲川義貴先生の口から「RE:BORNゼロ」の企画があると明かされる!
敏郎、アビス、健二にレジェンドソルジャーが加わる4-man cellの話だとか。
時間切れで全て語られず…
えりみ

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