tmtmtm

なぜ君は絶望と闘えたのかのtmtmtmのレビュー・感想・評価

なぜ君は絶望と闘えたのか(2010年製作の映画)
4.5
門田隆将(ジャーナリスト)著書『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』を原作としたテレビドラマ。

実際に起きた光市母子殺害事件で、遺族の本村さんが加害者や司法とどう闘ってきたのかを少しでも知ることができる作品である。

4年前に原作を読んだ時、遺族が救われない司法制度と犯人に対して憤りを感じた。映像化され、さらに本村さんの辛さを想像できて辛かった。妻の好きだった曲が有線から流れてきたとき、守ることができない、仇を打つ事もできないという浄化されない怒りと悲しみから、雨の中空を見上げて泣くシーンでは、ほんとに胸がえぐられるおもいだ。

そんな過酷な状況下、13年にも及ぶ司法との闘いに挑むことができたのは、本村さん自身の強さはもとより、彼の周りにいた人達がまた素晴らしかったからだ。
退職願いを提出した本村さんに対し、
『負け犬の遠吠えになってはならぬ。労働、納税をする社会人たれ』と鼓舞し支えてくれた上司や、検事や警察と、彼と一緒に闘ってくれる人達がいた。

同じ空の下で何が起きているのかを知り、今一度社会正義について考えるべきかもしれない。そして私達国民に死刑制度、少年法について議論し考えるきっかけをくれたのは、傷だらけになり痛々しい状況のなか、勇気をもって表に出て話してくれ、行動してくれた本村さんのおかげである。敬意を表したい。
tmtmtm

tmtmtm