Jeffrey

ロートリンゲン!のJeffreyのレビュー・感想・評価

ロートリンゲン!(1994年製作の映画)
3.0
「ロートリンゲン!」

冒頭、観光地周辺の近代的なロケーション。様々な国旗を捉えるカメラ、観光客の姿、川の上のボート、山々、森、水、家、船、空、音。今、固定ショットで写し出される歴史と風景の美学が学べる…本作は1994年に国家への帰属と言う問題を扱ったモリス・バレスの小説「コレッド・ボドッシュ」の一部を圧縮再構成した上、その舞台となったロレーヌ(ロートリンゲン)地方のメス(メッツ)近郊で撮影されている。

本作はロケーションの美学といっても過言では無い21分間を堪能できる作品で素晴らしい。

本作の構成台本としては、まずパノラマ(ライン河とモーゼル河の合流点コブランスにあるヴィルヘルム1世の騎士像)と(スダンの勝利、1871年)。キャメラがパンし、遊覧船は画面外に出る。

そしてクレジットタイトル(ロレーヌ地方の1870年の古地図)が現れ、パノラマ(メス市内)駅のコロッサール様式の建物とキャメラは建物を見上げながらパンする。

この作品もラスト付近の固定画面が非常に印象的でシ=シャゼルスの教会広場でコレットが谷を見下ろす壁に座っていて、背景にシの墓地がある場面なども魅力的である。
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