ジャン=マリー・ストローブ監督
ダニエル・ユイレ監督
『ロートリンゲン!』(1994)
ここに帰りつくことー
ロレーヌ地方の開けた景観に映し出される街並みや山並みに、M・バレスの小説が詩的に重な…
ロレーヌの風土に宿る歴史のざわめきをすくい取る、詩的且つ政治的な本作。
ストローブ=ユイレらしい厳密な構図と朗読的な語りが際立つ。
土地に刻まれた記憶と対話するように、画面は風景と言葉に静かに寄り添…
土壌と一体化した神の視点で見る、国境付近の町の歴史。非人称的な360°パンは最早長回しを概念化するレベルに達していて、お馴染みのナレーション(朗読)が見る者の無知を撃つ。メッス大聖堂の鐘楼を捉えたテ…
>>続きを読むゆっくりしたパンからタイミング良く遊覧船が最後繋がれるショットや行ったり来たりとパンの連続が続いたり
ドイツとフランスの境にあるロレーヌの歴史の土地に根ざした場所のパノラマな世界を見せつつ不准な情…
流れる景色に境界は見当たらないのに、歴史として仏独の曖昧な境界線が横たわっていて、幾多の争いがあったことを淡々と伝えるスタイル。一貫しています。
「フォルティーニ」とか「早すぎる遅すぎる」と基本的…
哲学における廃墟としての風景と建築物。歴史性を静謐に漂わせている。白い服の貴婦人のシーンはジャン・ルノワールじゃないすか。
この映画は日本では撮れないんだな。スクラップアンドビルドで歴史性を擲った…