ばんてふ

ふきげんな過去のばんてふのネタバレレビュー・内容・結末

ふきげんな過去(2016年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

・前田監督の作品はよく話の設定がわからないまま終わることが多い。今回もファンタジーのようでファンタジーじゃないようで。そんな映画だった。
あとは、「ジエクストリームスキヤキ」同様とても掛け合いが面白い。

・二階堂ふみの不安定さがすごかった。常に機嫌が悪いし、少女への対応が即リプで超雑で面白い掛け合いだった。最後未来子叔母さんと再会した時のブチ切れ方が凄まじかった。「そばを気にすんな!」とか「お前は運命が数奇なだけで、何もかもが薄っぺらい!」とか。とにかく好き放題に言いまくる。挙げ句の果てに、傘で母親を刺して、それに自分でびっくりして泣いてたり。最後の展開の早さはすごかった。

・未来子叔母さんの、
「あなたが見ている未来は過去なのよ」というセリフがとても深いなと思った。
カコは「未来が見える」と言ってたが、結局それは、過去にろくでもないことしかなかったから、未来もろくでもないだろうという推測に過ぎない。つまり「過去」を見ているだけだった。というオチ。
ラストシーンでワニが運河で見つかり暴れ出し、それをカコが作中最初で最後の笑みを見せて終わる。これも未来はまだ見捨てたもんじゃないというメッセージだと思う。

・夜に舟に乗って硝石を探しに行くシーンがとても綺麗だった。ちょうど話の流れがだらけてきたかなと思い始めた頃に、親子喧嘩があり、そこから仲良くなり、そのまま舟に乗る。この展開の早さにまた惹きつけられた。いきなり海に出るのもびっくりした。夜のビル街を背景に映る女性陣の顔は綺麗だった。なんか東京メトロとかの広告になりそうな感じ。幻想的というか、ファンタジー感があった。

・爆発したシーンとかもいきなりでビックリした。一番ちっちゃい子が死んじゃったんじゃないかって焦ったけど、ギャグ扱いにされてて笑った。

・この話は結局ファンタジーなのか、未来子叔母さんは本当に生きているのか?それとも霊なのか、いろいろとあやふやになっている。

・二階堂ふみの「はあ?」がとても好き
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