ある人は「長過ぎる。退屈。」と言い、ある人は「美しい。こんな映画他にはない。最高。」と言う。どんな作品も様々な感想・意見が飛び交うものだけど、本作はきっぱり好き嫌いが分かれそう。そんな印象。
極めて淡々と話は進み、その割に出来事は非現実的。いや実は現実世界にありふれる事を描いているだけなのかも。私たちが普段、「まさかこんなこと起きないよね」と思い込んでいるだけで。
確かに180分は長い。風と共に去りぬぶりに長編を観たかもしれない。しかも前半後半と分かれているわけでもなく180分1本物だなんて、なんて思い切ったことをしたのだろう。でも端折り短縮するより、この丁寧さと余白が私は好きだ。
残念ながら一気に観ることは出来ず小分けに数日かけて観たけれど、映画館でゆったりとぼんやりとこんな映画を観る豊かさがほしい。そして終わった後、観客がどんな反応をして劇場を跡にするのか、見てみたかった。
