終わってから興奮で喋り続けた。彼に、ちょっと熱すぎてついて行けないよ、と言われる。
センスの塊としか言いようのない世界観。まるいビー玉の中で全ての出来事が進んでるんじゃないかと思うくらい、キラキラ色が変わっていく。そのビー玉は今まで見たことないくらいにたくさんの色を持っていた。
太陽の光1つ、溢れるセリフ1つ、流れるショパン1つ、全てに意味があるように思えて、全部全部理解したい、
コロコロと変わるフォーカスにまで感動させられて、ため息がでた。
そして、私のcoccoの1番好きな歌(というかこの曲しか聴かない)の『ジュゴンの見える丘』は
まだ青い空
まだ青い海
終わりを告げるよな
真白色
という始まりなのだけれど、
coccoの役名が真白で。
私は、そこだけで泣きそうになった。
悲しみはいらない
優しい歌だけでいい
あなたに降り注ぐ全てが
ただしい優しいであれ
って、なにこれ。この映画のための曲やん。え、なんでこの曲エンディングになってないの?ってくらいにシンクロ。
狙ったのか狙ってないのかはわからないけれど、真っ白ではないのに、真白色に見えて、真白色を信じている、真白を演じれるのはやはりcoccoしかいないのだなあと思った。
真白が空を自由に飛びまわる雲だとしたら、七海はそれを静かに優しく映す海。
永遠にこの2人を見ていたかった。
兎にも角にも、3時間があっという間だった。アクション映画でもサスペンス映画でもないのに、ずっと胸がドキドキして、一瞬で過ぎ去っていった。