ひろくん

リップヴァンウィンクルの花嫁のひろくんのレビュー・感想・評価

4.5
前半主な感想が「うわあ」という感じで顔を手で隠して指の間から見てみたり、なんというか「うわあ」だったんですけど、物語の行く末がよくわからぬまま(肯定的)主人公が道に迷うシーンで俺は「もしかしたらもしかするぞ」という期待が生まれてきて、それが確信に変わったときには涙が溢れていました。辛すぎて泣いていたのかもしれないけれど、たぶんそうじゃなくて、幸せすぎて泣けたんだと思う。「幸せ~ってなんだっけなんだっけ」という歌がありますが、人ぞれぞれだと思うので旨い醤油のある家が解答でも間違いじゃないし、「幸せを認識する」っていう行為に揺さぶられるものがあったっていうか、認識したときの顔がキラキラしてて、特に後半のあのシーンは辛くもありましたが、幸せのギャン泣きでしたね。
言及することが多すぎてもはやめんどくさいのではしょりますが、内容はすごくファンタジーで、「名前」とか、人間の話をすれば、なんでも屋とかAVの世界とか、たぶんこれって岩井俊二のよく言う外側の世界?何だろう、実態がよくわかんなくてでも存在している、そういうある種ファンタジー的な要素を持った外の人間たちが内の人間に干渉してくる。境界を越える越えないっていう岩井俊二らしい感じだったんじゃないかな。知らんけど。
3時間の長尺も感じないくらい没入できてほんとに「よかった」という感想がもれる綺麗な作品でした。これを見てから何だかすげえ生きる活力がわいてきてまずは部屋の掃除から取りかかったんですが、中々一段落つかずに、気づけばあったはずの寝るスペースが消えてて徹夜で片付けをすることになったのであんまり無闇に人を思い立たせないでほしい。
あと、黒木華がかわいいんじゃ~。あんまりドラマとか見ないので実は動く黒木華は初体験だったんですが、かわいいんじゃ~。もう、とにかくじゃ~。
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