ねじまき

リップヴァンウィンクルの花嫁のねじまきのレビュー・感想・評価

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久しぶりの岩井ワールドを堪能しました。世界観を助けるキャスティングの手腕の見事さも相変わらずですね。綾野剛さんなんかはもはや他の俳優では考えられない位のハマり役だったと思います。
主演の黒木華さん、この作品自体の雰囲気を体現するような存在と言ってもいいのではないでしょうか。儚げな彼女を見守る事こそが、この作品の一番の推進力である事は間違いないでしょう。

しかしながら、なんせ180分の長尺。残念ながら長さを感じずにはいられませんでした。前半こそサスペンス風味の物語に主人公とともに翻弄される感覚で、どんどんと作品に引き込まれましたが、後半、ある女性の登場あたりからがちょっと。
そこから耽美的な岩井ワールドが炸裂するわけなんですが、残念ながら既に息切れ状態。ファンタジックで刹那的な映像が目の前に広がっても結構どうでも良くなっている自分が哀しかったです。
(映画館での鑑賞だったらここら辺の感覚は少し違ったのかもしれません。)

つまらない文句を並べてしまいましたが、岩井俊二監督の世界が今も健在である事を確認できた事は本当に嬉しかったです。また過去作も観直してみようかな。
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