4pm

リップヴァンウィンクルの花嫁の4pmのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

長いのは確か。ただ、それほど苦痛でもなく観られる。リリィシュシュと花とアリスを足したような、そんな印象。絵はやはり岩井ぶしで、見せたいシーンをこれでもか、というほど叙情的に続ける。
ただ、どこか新しい試みというか、前半部で特に感じたのだが、園子温的なわざとらしい筋書き、演出をしていて面白い。映画は真実を映すのかというテーマで観ると、園子温と岩井俊二の違いがあって面白いような気がする。園子温はフィクションらしさを徹底させていって、そこから登場キャラクターを浮かび上がらせる。一方、岩井俊二はフィクションらしさから映画内の人物の心の中に入り込んでいくような、そんな感じ。最後まで主人公が詐欺師に騙されていると気づかないのは、真実でも嘘でもその人の現実がすべてで、解決があるならいいじゃないかというメッセージにも思える。
なんにせよ、演じることと素であること、真実と虚構といった対立軸を強く意識させられる映画だった。洋画でいえばバードマンを思い出す。
4pm

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