あまりにもお金で解決できるものが多くなった現代を描ききっている。
結局最後までお金とは切ってもきれず。
自分のことを自分ではどうにもできない、優柔不断な主人公。決められないのは、意見がないから。何事もふわりふわりと周りの雰囲気に乗って生きている。現代の若者に多い感覚。
普通の女の子が、普通じゃない経験をして普通じゃなくなっていくーーわけでもないような気がした。起きている事柄に乗って生きていることは変わりなくーーやはり意思はそこにない気がしたのである。
黒木華さんの演技の上手さ(Coccoさんがベッドで揺り起こしたときは不自然だと感じたが、それ以外は完璧だったと思う。)と、Coccoさんとマネージャー役の方の「普通さ」(これはあまりに自然すぎるくらい自然という意味で、あの2人だけ空気感が役者の空気感というよりも生身の人間の空気感だったように感じる。)、そしてウェディングドレスでベッドに寝ころがるシーンが印象的である。大変美しかった。