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リップヴァンウィンクルの花嫁のpinatuのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

最初は七海を見ているとなんでもっと上手く生きれないんだと苛々した。しかし、現実は上手く生きれてる人の方が少ないし、いいことばかりだらけの人生の方が想像するのが難しい。むしろ、不幸すぎるように見える七海こそが現代をよく表していて、リアリティーがある。現実味がありすぎて、感情移入して苛立ったようにも思う。七海が安室や真白に騙され導かれて入り込んだ不思議な世界は、白黒がはっきりつけられるような世界ではなかった。何が幸せで何が不幸かなんて人それぞれ違う。
真白が求めるものは凡人にはどう足掻いても想像出来ないようなもので、最後まで彼女が何を考えているのかと不思議すぎて引き込まれた。あれはCoccoにしか表現出来ないものであると思う。
真白の母を演じたりりィの演技が素晴らしかった。亡くなった後も最後まで娘を理解したいと願うも、愛しいからこそどうしても娘の仕事への気持ちを理解することの出来ない悔しさや、苦しみ、悲しみが溢れていた。りりィの出演している他の作品もぜひみたい。

しかし、最後の安室の行動がよく理解出来なさすぎて。一瞬固まった。泣いているのか…笑っているのか。
よく考えてみると、最後まで1番謎に包まれていたのは、真白より安室のような気がする。
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