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凱里ブルースの3skのレビュー・感想・評価

凱里ブルース(2015年製作の映画)
4.5
念願の一本。このような映画が観られることに、ただただ感謝の気持ち。中国、ありがとう。
凄みのある長回しだいたいスウィフトパンだし、例のなが〜いワンカットは広角強くて、やや船酔い感が否めない。狙いなのかもしれないけど、うっぷってなっちゃった。しかし、長回しでフレーム内に音楽を設定しちゃうあたり、うぐぐぐ、分かってるな、飽きさせないぜ…
フレーム内、フレーム外でいうと、音源の定位を画の中の空間リアリティにかなり丁寧な仕事ぶりをしつつ、タルコフスキー的大胆な「言葉」の鳴らし方(ロングでちゃんと聞こえちゃう会話云々、みんなタルコフスキー言うから使いたいだけ)もしている。でも、記号的な音も多く、仕事ちゃんとしてますよ感が目立ち、映像と「解離」してしまうのは、場所を見せたい映画としてはいかがなものか。
しかしやはり嫌いになれない。何か頭からこびりついて離れない「あの場所」の視聴覚的イメージ。もう一度観たいなと思わさせられる。
ずるいっすよパイセン、『ロングデイズジャーニー』観たくなるじゃないすか。
ただこれだけは言いたい。『のぼる小寺さん』をみてほしい。
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