その映像美と裏社会に関わってるらしきキャラクター、ノワール感はカラックスの『汚れた血』を思い起こさせた。
映像を詩で描くこと、またはその融合。
連れ去られた甥･ウェイウェイを取り戻す、老女医の昔の恋人に想いを伝える、その二つの目的の旅の途中に立ち寄る街･ダンマイで始まる40分ワンカットは主人公チェンも言ってるけどきっと｢夢｣何だろう。
カメラが途中でチェンを離れて自在に自分がみたい方も見て回ってるみたいな、白タク･バイクのライダーと彼が思いを寄せる女性ヤンヤンの話にシフトしたり、床屋の女髪結とチェン、この二組は時空を超えた｢チェンと死んだ妻｣｢老女医と昔の恋人｣の反復で更にライダーは未来のウェイウェイでヤンヤンは過去の老女医でもある？
正に夢の中で過去や未来や現在が混在してる幻想的世界だったと思う。
『デッドマン』や『ツィゴイネルワイゼン』と同じく彼岸や涅槃への旅、現世とあの世が渾然一体となった異郷への旅と帰還。
あとヤンヤン可愛い。
