松浦義英

戦国自衛隊の松浦義英のレビュー・感想・評価

戦国自衛隊(1979年製作の映画)
3.0
18.02.09:DVD。
23.07.08:塚口サンサン劇場。

【スクリーン鑑賞レビュー】
3.5から、3.5よりの3.0(全体だと2.5よりの3.0)になってしまった。
やっぱり俺はATGの作風の邦画が好きだな。
角川春樹のカメオ出演がさり気なさすぎてヒッチコックレベルの出演時間で笑った(笑)
続編構想が80年代に長谷川和彦監督作であったらしい…観た過ぎる。

千葉真一はイーストウッドの『戦略大作戦』を意識して演出したとか??
でもどこの部分なのかわからなかった。
戦車の砲塔のカメラワークとかかなあ…?

長尾景虎って後の上杉謙信なのか…壮大なタイムパラドックスものだったのか…。

最初、バスの駆動音と戦車の駆動音をオーバーラップさせる演出にビックリした。
最初の夜間演習シーンと金星が重要なのはまんま『ガメラ2 レギオン襲来』がオマージュしてたんだね、BGMの雰囲気から似せてて面白い発見でした(ガメラは巨大隕石ですが)。
…それに加えて、スクリーンを一時停止させてしまう草刈正雄のパワーよ(笑)
さすが角川。
『復活の日』の主人公の先祖なんだろうか彼は(笑)
…冒頭の夏八木勲のキチガイっぷりと、千葉真一の冷静っぷりが最後にはまんま逆になるのが面白い。
その二人のキャラが入れ替わり始める波打ち際の裸の付き合いがムキムキ過ぎて惚れ惚れする。
(なんかこのシーン、最近では直後に二本の槍が映るからと同性交を表現しているという解釈もあるとか。
…同性愛も延長線の性行為も否定はしないけれども、そういう意味ではないと思うんだよな。
天下統一を互いの夢とし、異なる時代の漢の一蓮托生を経た結末を見ても。
…こういうなんでもかんでも過度にそして安易にLGBTQに結びつける動き、違和感しかない。
そう結びつける動きがあるのは理解はできるけれどね)
にしきのあきらのキャラが立ちまくってて面白かったんだけど、もうちょっとイキザマを観たかったかな?
…渡瀬恒彦は流石でしたね。
スクリーン鑑賞によってクーデターの場面とかがちゃんと観れたのは良かった。
昔の日章旗を立てているのは内部分裂もあって『日本のいちばん長い日』オマージュしてるんでしょうねえ。
(船を撃ち火葬する千葉真一
→寺を焼き討ち火葬する夏八木勲
って流れがいいよね。
渡瀬恒彦も千葉真一も大小差はあれど
革命を考えて討たれているって共通点が痺れる。
…しかも二人とも火葬した後で、深く深く頭を垂れて故人を想うシーンがあるのが素晴らしい。
夏八木勲は涙も流さないけれど、自分の着物を千葉真一の遺体に被せたり、
遺体の頭の上と首の部分にそれぞれ刀とライフルを安置していたり
かなり丁寧に弔っているのが凄く良い)
千葉真一が本作で演じたキャラに最後まで続く冷静さを振りかけたら三船敏郎になるよね。
…やっぱり岡田奈々はめちゃくちゃかわいかったです。
特に駅のホームのシーン。脚ぷらぷらして持て余すんです。
初鑑賞の時も同じこと言っていて流石です自分。
多部未華子に、あの人に、似過ぎなんですよね。
…『戦国自衛隊のテーマ』『ララバイオブユー』はスクリーン音響で聴くとたまらなかった。

でも、二度目だと
無駄なシーン、無駄なBGMが多くて途中ダレてしまった。
蛾次郎の夜這いのシーンの笑いとか滑ってる…。
(合戦シーンの戦車覗き窓の演出にかかってくるとしてもね)
初回鑑賞では気にならなかったけれど邦画の悪い所出てたなぁ…。
羽田健太郎の音楽も何ともとっ散らかってた印象だし…
もしかして無駄な演出の始まりは角川映画だったりするのかしら?
『時をかける少女』も同じ感じだったしなあと。
…武田信玄の殺陣も、夏八木勲の殺陣も全然良くなくて驚いた(笑)
千葉真一のアクションは良かったけど…アクション監督ですしね。
アクション面では千葉真一なんだけど、千葉真一が武士やって夏八木勲が自衛隊員はなんか違うしな…。
(武田信玄の息子役の真田広之が良かったからプラマイゼロではあるけど)
制作費11億って時点で凄いし、その大半は合戦と自衛隊から協力を得れなかった故の自衛隊車両レプリカ製作費なんだろうけど、もっとあれば殺陣が上手くなってたりしたのかな…。
(合戦シーンの忍者アクションはとっても素晴らしくて良かったけど。
馬の脇腹に隠れたり、乗馬しながら身体を左右に落として弓を拾ったりするのが西部劇チックだったのも面白かった。
千葉真一のノースタントなのが信じられない良い動き。
馬がめっちゃケガしてそうにしか見えないんだけど、千葉真一はちゃんと怪我しないようにしてたと。プロだなぁ…流石時代劇出演者)

日本人って気にならないんだろうか。
途中で流れる全編英語詞の日本人歌唱の歌。
…日本語英語の歌が流れたと思ったら、次に流れた歌はちょっと発音がネイティブに近付いてて、
その次はまた日本語英語に戻って…。
気にならないようにしてるんだけど、気にならないといえば嘘になるもんね。
こういう小さい所で作品としての質がどんどん下がってるのがやっぱり厳しい。
(最初のレビュー時も思ったけど、敢えて書いてなかったんだけど…我慢ならなかった笑)

【初鑑賞レビュー】
戦国時代に自衛隊が行くっていうのは正直お笑いっぽいと思う。
でも行ったらどうする?ってのは誰にも考えることだから映像にするのは面白い。
でもそれはあくまで舞台なだけで、メインは男の友情。

千葉真一ほんまかっこいいんですけど。
三船敏郎っぽいけど、ミフネよりもっと男らしい。
さらに千葉よりカッコいいのが夏八木勲。
ほんまほんまくっそカッコいい。

千葉真一が生きる意味を見つけて、それは時代にそぐわないと思ったのか、狂った友人に悲しくなったのか、はたまた自分が天下人だからなのか…。
あのシーンの夏八木さんの呆れたような軽蔑したようなあの顔を見たら…ね。
でもその後ちゃんと火葬してあげるんだから、泣ける。

戦終わって京都に向かうシーンから画面から目を離せなかった。
ラストの火葬のシーンは素晴らしい。

主題歌と挿入歌が全部かっこいいって凄いよ。

ヒロイン?の岡田奈々がくそ可愛かった。電車待ってるだけなのにね。
多部未華子系だよね。
俺の女性の好みにストライクでした(笑)
松浦義英

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