蛇々舞

ジュラシック・ワールド 炎の王国の蛇々舞のレビュー・感想・評価

4.5
出たァー、これぞクソ邦題ですわ!

「炎の王国」?
アレか、島の火山が噴火してマグマがドロドロすっからか?
だから、ふわっと「炎の王国!」なんて付けちゃった?
うん、カッコいいよね、炎!
厨二的な必殺技とかでも定番だし、なんか付けときゃカッコいい感あるよね!!


バ カ タ レ


原題を見ろよ。
「王国陥落」とか「王国崩壊」とかのが合ってるだろ?
その〝王国〟とは?
恐竜たちが暮らす島であり──
〝人間が自然界の王座に君臨している時代〟のことでもある。
見事なダブルミーニング。

それを炎の王国って……はァー(クソでか溜め息)

まぁ、いいや。

内容は素晴らしかったんだ。

全てはラストシーンに集約されている。
別れの時、人間代表である主人公は階段の上から、〝彼〟と同じ高さまで降り、交流するのである。
実に示唆的で、印象的な名場面ではないか。

物語の後半は、島から屋敷の中へと舞台を移す。
だからスケールが小さくなった、という声も聞かれるが、そうではない。
むしろスケールは大きくなっているのだ……果たして、恐竜は人間に劣っているのか?
あるいは、それを前提に、人間は自らより劣る種を好き放題にする権利を持つのか?

そして映画には、その両者の区別を曖昧にするための仕掛けが施されているのだ……

哲学の翼を広げ、世界観は、さらなる広がりを見せる。

ようこそ、ジュラシック・ワールドへ。

メチャメチャ興奮できて、でもシッカリ考えさせられる、そんな骨太の一本、見逃せないぜ!

~追記~

個人的には、トラックで船に乗り入れるシーンの、ヒロインの男前っぷりが最高。
もはや溜め息しか出ない
蛇々舞

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