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ジュラシック・ワールド 炎の王国のsaneful92のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

待望のジュラシックワールド第2作目です。それだけで、ジュラシックパークのファンならば、見ないという選択肢は無いですね。しかし、前作のジュラシックワールドの完成度と比べると、物足りないと言うのが正直なところです。気になる点は主に以下の6つ。

1 主人公とヒロインの前作からの成長
2 サポート役の男女の関係の物足りなさ
3 娘さんのキャラの薄さ
4 悪役の小物加減
5 オーウェンのラプトルに対する愛の感じられなさ
6 結末

順番に一言(?)ずつ。

1 主人公とヒロインの前作からの成長

まずはヒロインのクレアですが、誤解のないようにいうと、役者のブライス・ダラス・ハワードさんはとても魅力的です。Youtubeなどでインタビューを見ると、非常に明るい方で、ファンになっちゃいます。
他方、本作のクレアは、前作を踏まえた成長が感じられないところが残念でした。彼女は、火山の噴火によって絶滅の危機に貧する恐竜に対して、共有保護の活動行っています。しかし、前作では自分が責任者として管理していた恐竜が原因となって、多くの人に死傷者を出したのです。オーウェンや兄弟との出会いもあり、前作では、そのことを十分に反省したように見えました。しかしながら、本作では、そのあたりの葛藤や反省に言及する事はなく、恐竜を保護しなければならないと言う単純な思いで恐竜の島に乗り込むことになります。そのため冒頭で違和感を覚えてしまいました。「反省なしか!」また、本作の流れでは関係がなかったかもしれませんが、前作でヒロインは、お姉さんの子供をないがしろにしていたけれども、最終的に彼らを救い愛に目覚めると言う描写もありましたが、本作ではその辺から見える母性を見せる機会はなかったのも残念でした。

また主人公のオーフェンですが、僕は前作のまさにパーフェクトヒーローとでも言うべき主人公が大好きでした。その僕からすると、本作の主人公は、もちろん活躍はするものの、小物の悪党にはめられてしまうシーンもあり、前作ほどの爽快な活躍はなかったのが残念でした。海中に2人を救いに行く人はよかったです。

2 サポート役の男女の関係の物足りなさ
本作を盛り上げる2人が、クレアの職場の若手2人の男女です。女の子は、軟弱で頼りない男の子を小馬鹿にしています。しかし、クライマックスのシーンでは、その頼りない男の子が、女の子を助けるのです。ここでは、ぜひ女の子が今までバカにしていた男の子に惚れてしまうといった描写が欲しかったのですが、そのような男女を意識させる描写がなく、残念でした。ここは好みの問題だと思います。

3 娘さんのキャラの薄さ
これはみなさんが違和感を覚えるところだと思うのですが、娘さんがキーキャラクターっぽく振舞います。現に、最後は大きな行動をとるのです。しかし、その重要なカミングアウトの割に、そこまでのキャラ付けが薄く、全く少女らしい活躍もありません。オーウェン、クレアと離れて駆け出すシーンでは、何か活躍するのかを期待したのも虚しく、部屋にこもってベッドに入ってしまいました。それはないぜ。謎のいいとこ取り少女です。

4 悪役の小物加減
これまでの作品では、恐竜をめぐる様々な考え方の違いが対立し、それが面白かったと思うのです。一概に悪者と決め付けられない考え方がありました。今回の悪役はそれと比べると、いわば金目当ての小物感が拭えません。それだけに、オーウェンらが何か大きなものと戦っているようなヒーロー感が得られませんでした。

5 オーウェンのラプトルに対する愛の感じられなさ
今回もラプトルが活躍します。それ自体は、ファンにはとても嬉しいこと。おかげさまで、僕もラプトル大好きです。ただ、オーウェンはいつもラプトルに助けられますが、オーウェンのラプトルに対する愛が感じられるシーンがないのです(ビデオはよかったです)。できれば、ラプトルが他の恐竜と戦っており、ピンチになっているときに、オーウェンがラプトルを助けるというシーンも欲しかったです。

6 結末
最後はやはりオチの部分でしょう。それでいいのか?それでどうする?という終わり方を誰しもが持ったのではないでしょうか。マルコム博士が出てきてくれたのはファンとしては嬉しいけれど、「それ言いたかっただけやん」という感じが否めない。。
また、オーウェンとクレアが再び良い雰囲気になるシーンが、たとえベタでも欲しかった。オーウェンがラプトルと共に暮らすようになるというのもあれば最高だった。もちろん無理は承知だけれど、ベタなハッピーエンドには必要だと思うのです。

本作はマルコム博士にそれを言わせたかったのと、ラプトルを活躍させたかったという考え方が先にあったのだと思いますが、全体の設定が甘いと言わざるを得ないと思います。

しかし冒頭でも述べたとおり、ファンとして見ないわけにはいきません。次回に期待!
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