どうしても、映画「セブン」の出涸らしに思えてしまう。いい役者を揃えても、辛辣な描写とスリリングな音楽を演出しても、そこまでにしか見えない。あまり気持ちのいい作品ではなかった。
もともとは、漫画サイコサスペンスの映画化。原作を生かそうとするゆえの脚本家の苦悩と思う。小栗旬、妻夫木聡、この時期、一番旬な二人を起用して、すごくいい表情だった。漫画でのリアリティと実写でのリアリティってのは、根本的に何かが違うのだと思う。
雨は、どんな作品においても、人の生き方を表現する小道具だ。雨には何かしら想いが伝播していくものがある。そんなに降らすなよというくらいの雨だったけど。犯罪の証拠を隠すためのもの、それだけじゃないよね。
純粋な悪意と、家庭も仕事も、まっとうな想いで突っ走ろうとする男、それを見事に表現しようとして、イケてる音楽も使って。。もう見たくないなあと思わせたんだから、なかなかやるなあと思う。
