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映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生のYSKのレビュー・感想・評価

4.1
ドラえもんが出してくれるひみつ道具の数々やのび太はもちろんジャイアンやなかまたちの大冒険に胸躍り目を輝かせていた当時の気持ちはどこかに置いてきてしまったうえ、この『日本誕生』は私が初めて劇場で見た『ドラえもん』ですから、どうひっくり返り、どう足掻いたところで思い出には絶対に敵わないのは当然の話です

というわけでせめて思い出に泥を塗るのだけはやめてくれよと思っていたわけですが、なかなかどうして勝るとも劣らないだけでなく、オリジナルで描かれなかったのび太たちの機微がしっかり丁寧に描かれているじゃあないですか
特にのび太が雪山で遭難して以降、ご都合主義のように助けに現れたタイムパトロールから非常にあっさりと終幕となったオリジナルに比べ、自らの力で助けを求めるのび太、のび太のために文字通り飛んできたペガ、ドラ、グリ、「一世紀違ってもなかまがいれば恐くない」というドラえもんの言葉、「22世紀のひみつ道具」ばかりを気にかけていたため勝負をわけることになった7万年前に生きる人たちの技術と知恵が結集した石やり、「人間は、工夫をして、徐々に便利な道具を生み出していくんだ。未来の道具なんか貸したら、歴史がめちゃくちゃになっちゃうんだよ」というツッコミどころ満載のセリフ、そして何よりのび太ママの「おかえりなさい」の言葉
思い入れが深いからこそ気になっていたラストシーンを綿密に描いてくれたのは非常に嬉しいですね、そして私はやっぱり『日本誕生』が大好きです
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