きゃら

ゼロの焦点のきゃらのレビュー・感想・評価

ゼロの焦点(2009年製作の映画)
3.5
原作は松本清張の代表作。
松本清張生誕100年記念作品だそうな。

お見合い結婚をしたばかりの広末涼子さん演じる新妻が、突如失踪した夫の行方を探るストーリー。
戦後の混乱期を過ごした哀しい女性達のお話です。

戦後から昭和30年代が描かれていて、情景、車、衣装などはレトロな雰囲気が漂い本格的で、そこにはかなり力を入れている印象で良かったです。

ストーリーはよく出来ていましたが、前半の展開が遅く少し退屈に感じました。
悪いのは脚本なのか演出なのかわかりませんが、ツッコミどころも何点かありました。
それは
終盤に新妻が頭の中ですらすらと全ての謎を解いてしまうところ。
中谷美紀さん演じる社長夫人の夫に妻への愛が感じられなかったにも関わらずのクライマックスの展開。
中谷さんの弟の役に必要性を感じなかった。
などです。

ところどころ横溝正史のお話のようなホラーっ気のある描写があり、松本清張のお話には珍しくそこも驚きました。

中谷美紀さんの演技は怪演と呼べるほど秀逸でした。

このゼロの焦点は今まで何度もドラマ化や映画化されていますが、また新しいものを作っていただきたいです。

自分は松本清張作品が大好きで原作も読んだり2時間ドラマも多数観て来ました。
自分は原作「わるいやつら」「夜光の階段」「危険な斜面」が特に好きなので、また新たな映画で観てみたいです☆
きゃら

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