おかげ

恋妻家宮本のおかげのレビュー・感想・評価

恋妻家宮本(2017年製作の映画)
3.0
【脇役にフォーカス!】

阿部寛ではなく、
天海祐希に共感する主婦が多いんじゃないかと思う作品でした。

以下、天海祐希演じるみよりについての考察です笑

何事も決断するのが早い妻、
生きることに迷いなんてないんだろーなーと
思わせるようなキャラクターなのに
実は心の中で悩んでて
そんな自分に自信を持つよう言い聞かせて生きてきた。

将来やりたいことも目標もないけど
家族のために頑張ることはできる。
そう思って結婚に走る女性、
昔は特に多かったんじゃないかな。

そうして結婚して専業主婦になると
最初は家族のために尽くそう、と張り切るけど
何年も経つうちに
家族にとって「当たり前」の存在になってしまう。
日々の生活にメリハリがなくなって
だんだんと自分の存在意義を問うようになる。

身近な人が新しいことを始めるたびに
置いてけぼりな自分に悶々とする。
(まさにようへいが料理教室に始めたこととか。)

自分には外に出る勇気も力もないなぁ、と。

だけど自分は家族のために生きてきた、
そんな風に自分をいい聞かせながら。


そんな時見つけた、自分が必要とされる居場所、被災地ボランティア。
誰かにありがとうと言われることに生きる喜びを見出す。

どんな人も社会の中で生きていくためには、
社会に貢献しているという感覚が絶対的に必要だとわかる。


どれだけ働きたくない、仕事に行きたくないと思っても
社会的に認められる場所があることって
実は心の安定に繋がってるもの。

だからこそ子供を産んだお母さんにも
社会とのつながりを持ってもらう必要がある。

そして事情があって働きに出られないお母さんは
旦那さんに認めてもらうことが唯一の救い。
どれだけ疲れて帰ってきても
毎日ありがとうと言われるだけできっと救われる。

ようへいは最後の最後にそれに気づいてくれました。


そんなことが全国の旦那さん、お父さんに伝われば良いなと思う作品でした。
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