登場人物たちの苦しさ、切なさがあまり伝わってこなかった。
DVを受け、性を売られようとしている成美。母親の造形がリアルじゃなかった。設定のようだった。また成美自身が何を考えて葛藤しているのか分からなかった。
自分の性に悩む最中に、父親がゲイであることを知る銀。
「ゲイって遺伝するの?」素晴らしいキラーワードを用いているが、こちらも苦しさや葛藤が伝わりにくい。
思春期ものの登場人物は総じて口数が少ないものです。だからこそ行動とたまに喋る言葉が重要です。
いい線までいっていたけれど、カタルシスを感じることはできなかった。
成美、銀の葛藤を描くことに成功していない。
脚本にイノセントがない。
"大人"が書いた脚本である。