アトミ

サブウェイのアトミのネタバレレビュー・内容・結末

サブウェイ(1984年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

86点

「存在は行動なり ソクラテス
行動は存在なり サルトル
ドゥビ ドゥビ ドゥー シナトラ」


金髪タキシード男「フレッド」はたまたま金持ち(反社)宅でのバースデーパーティーにお呼ばれ。
そこで金庫を爆破。中にあった品と「書類」を盗み、車で逃走。
カーステにカセットテープIN。ご機嫌ナンバー。
4人の男が同乗するベンツに追われカーチェイス。
パリ地下鉄(サブウェイ)へと逃げ込む。

ここまでスゴくいい感じ。


フレッドは「書類」を質に金持ち夫人にTEL。20万フラン要求。取引場所は地下鉄で22時。
フレッドは夫人に一目惚れしていた。どちらかと言えば「会いたかった」気持ちが強い様子。

そして夫人がホームに現れる。
イザベル・アジャーニ美し過ぎて苦しい。惚れて当然。かわいい。

しかし金は持って来ていない。「書類」も渡す気は無い。という事で交渉決裂。
刑事や追手に囲まれ、フレッドは線路下から地下鉄の地下。ディープな地下へと逃げ込んで行く。

真夜中の2時。逃げ切ったフレッドは夫人に電話。名前を尋ね「エレナ」とわかると直ぐに「エレナ。愛してる」と告白する。


パリ地下鉄は新宿駅的ダンジョン。そこには個性的な人間達が隠れ?住んでいた(別に隠れてないか。秘密基地的)。
こそ泥ローラースケートマン(ルイ)、マッスルマン、ドラムスティックマン(ジャン・レノ)、花売りのおっさん等。
フレッドは彼等に助けられる。
ルイ達の友達のバースデーパーティーに連れて行かれるフレッド。そこでイカしたベーシストを見つける。

フレッドは貰った古着に着替え(仲間のメタファー)、地下に住み着く。
以降、タキシードは花売りおっさんが着る。
てか「書類」どこいった?


エレナは鉄道警察にフレッド捜査を依頼。かわいい。
そんな中、ルイが「関係者以外立入禁止的ドア」へ入って行くのを見かけ、後をつける。かわいい。
その迷路の中でルイとぶつかってしまい、「迷子になってる」と助けを求む。かわいい。
ルイはアジトへ連れて行く。そこにはフレッドがいた。

皆さん自己紹介(フレッドとエレナは初見のふり)。
フレッドはバンドを作る夢があった。
エレナの「歌わないの?」という質問(かわいい)に「歌わない理由」を語り出す。
5歳の誕生日に交通事故。5時間の手術。5ヶ月の入院。5年間喋れなかった。5ばかり因縁の数字。それ以来誕生日が好き。

暗い話は好かんとルイがアジトを出るとエレナは銃を突きつけ「書類」の在処を聞く。かわいい。
「タキシードに入れてあり、タキシードは上の楽器屋の主人に渡した」と。
エレナはどうせ事故の話も嘘だろうと思っていたが本当に喉に大きな傷があるのを見て少しためらう。かわいい。
フレッドを手錠で拘束し楽器屋へ。嘘だった。
その隙にフレッドはまたマッスルマンに手錠を壊してもらい脱出。どこかへ向かう。

ちょっとお冠で拳銃を手にアジトへ帰って来たエレナ。かわいい。
そこには花売りおっさんがいた。
花売りおっさんとだべってると、ルイとフレッドが帰って来る。
タキシードは花売りが着てるし、「書類」も見当たらないし、もうそんなもんよりフレッドはエレナに恋してることをエレナも理解する。これを機にグッとエレナの気持ちがフレッドへ向く。
一晩、地下住人達と過ごす。

翌朝。エレナはスーツから「貰った古着に着替え」て、地下鉄のBARでジャンと待ち合わせ(エレナの護衛兼、見張り番)。だったが、そこにはアラフィフ?な旦那の姿もあった。旦那は経緯を聞く。
家の前である男(フレッド)に出会い、荷物を運ぶのを手伝ってくれた「いい人」だからバースデーパーティーに招待した。結果金庫を爆破。
でも盗品は返した。「書類」は無くしたようだ。とエレナは報告。が、旦那が手紙を差し出す。

「5000万フランと引き換えに書類を返す。追って連絡する。フレッド」

フレッドとは寝てない。ただ団地の貧乏娘だった自分にとって彼等との時間が心地よかった。
贅沢な暮らしは窒息する。耐えられない。そして貴方の生き方、策略、薄ら笑、財産もウンザリ。
旦那「だったら離婚しろ」
でも離婚できないエレナ。フレッドに言ってた通り「勇気かない」。
旦那はジャンにフレッドを「消せ」と支持する。

旦那と邸宅へ戻り20時からの食事会へお出かけ準備。

エレナが消え、イライラしながら駅を彷徨うフレッド。イカしたサックス奏者を見つける。

お食事会。エレナは氣志團團長、綾小路翔の様なヘアスタイル。エレナ曰く「モヒカン」らしい。かわいいツッパリ。
食事しながらエレナは思った事を素直にガンガン喋る。失礼極まりないが事実。旦那に退席しろと言われ退席する(最初からそのつもり)。

エレナは鉄道警察署で警部に「フレッドの手紙」を見せる。
反社達からフレッドの命を守って。でないと駅は戦場になる。と。

フレッドのバンドはいい感じになってきた。そしてボーカルも見つけ、リハに連れて来る。

そんな中、警察も反社追手もXデーに備え人数を揃える。
そしてルイが警部に捕まってしまう。フレッドもやばかったが間一髪セーフ。
花売りおっさんはジャンに接近しフレッドの居場所情報を売る。

フレッドはライブに必要な金(メンバー出演料)を工面する為、前半でルイが言ってた「強盗計画」を実行する為ホームへ。そこに花売りも現れる。「山分けだぞ」。
電車に乗り込むガードマンから現金強奪成功。
花売りはジャンからの前金を頂いたまま地下生活からおサラバ。地上へ。
フレッドはメンバーとライブ会場に。
本来ライブ予定のビッグバンドに金に物を言わせ中止にし、直ぐに帰らないから最後は銃に物を言わせる。

ジャンは準備中のフレッドを発見。トイレで銃の準備。

ライブスタート。
まずはドラムスティックマン登場。ドラムそろからのビート刻み。
ベーシスト登場。リフを弾き出す。
ギタリスト登場。ベースと同じリフを弾く(ここでベースは4分音符単音へ)ハードロックなリフ。
ボーカルが黒人なんでちょいファンキー。
このバンド、曲が自由で人種のるつぼな「地下住人のメタファー」としても成り立ってる。
ダサカッコイイ楽曲。いいね。
なのにステージ衣装が揃いで探検隊スタイル。かわいい。人生は探検なんだよ。ダサい。

本来のバンド目的で座ってたおじちゃんが借りてきた猫みたいでかわいい。
音に釣られ派手な若者が集まりだす。みんなノリノリ。

鉄道警察署内にいたエレナも監視カメラでライブ準備を見つけ、すったもんだで(署内で部長の対応にキレまくり)やっと会場へ。かわいい。

フレッドを見つけ駆け寄るエレナ。かわいい。
エレナを見つけ微笑み返すフレッド。
そしてフレッドの背中を狙うジャン。
バンドの歌詞が二人の事を言ってる。ダサい。

パーン!

二人が抱き合う寸前にフレッドは銃弾に倒れる。
「答えてくれ。僕を愛してる?」
泣きながらキスをするエレナ。
「後で電話するよ」と言い、力尽きるフレッド。

エレナを立たせるジャン。
ジャンの腕を振り払いキレまくるエレナ。

「人間同士が殺し合う」
とサビ連呼するバンド。
ベースが4分音符から8分音符エイトビートへ。上がる上がる。

「パパッ パッパッパー、、、」
目を覚まし、口ずさむフレッド。

ブレイク。
「人間同士が殺し合う」
キメ!

熱狂!

以上!



PS
オープニング~タイトル。そしてラストは上がるね。いい感じ。

PPS
なんと言ってもイザベル・アジャーニ。
かわいいから。

PPS
実存と音楽。
アトミ

アトミ