青二歳

アイ・シティの青二歳のレビュー・感想・評価

アイ・シティ(1986年製作の映画)
4.0
面白い。
ドラゴンボールでスカウターが戦闘力の高さを数値化するじゃないですか、あれの遥か先を行くレベルで、おデコに超能力の強さが数値で表示される斬新な超能力者たちがいっぱい出てきます。ちなみにデジタル数字の表記で、最大値は∞(無限大)まであるようです。これが度々笑っちゃう。だって超能力の力がデジタル表記でカタカタカタっ〜と数値化されるんですよ!いちいちおデコで!

ただのサイキックアクションかと思っていたら、時間軸というか世界観がちょっと独特で面白い。正直OVAだけではついていけないんですが…
この世界はどうやら円筒状で、1983年の東京を再現した世界(フロア)と、それを管理している2183年の東京を再現したフロア(敵がいるところ)がある。ではこの話は22世紀の未来世界なのかと思いきや、1983年フロアは作られてから4000年ほど経過しているというからとんでもない。
1983年というのは、遺伝子操作されていないピュアな人間がいる世界という設定。1983年に遺伝子操作が許可されたため、それ以降遺伝子汚染が進み、人類は進化の生命樹から外れてしまった。
そこで“神”が、1983年のフロアから世代ごとにフロアを作り、"正しい進化"に戻るまで何度もやり直し見守っているという世界なんだそうです。いやはやとんでもない。
その“神”というのは、2183年フロアよりはるか上のフロアにいる"進化に行き詰まった"人類らしい…
本編では敵と思われた“フロア・チーフ”も結局は“神”の手によってやり直しさせられている存在なのか…
うーん壮大である。

この遺伝子汚染というのも意味わからないんですが、なんかカビが生えて破裂したり化け物になったり…奇形とかのレベルじゃなかった。“遺伝子集合体”だか“遺伝子生命体”だかいうのが出てきて意味不明。「DNAをくれ〜」と他人を食べようとする。遺伝子汚染って枯葉剤とか劣化ウラン弾のイメージでしたよ…なんだこのクリーチャー。
もちろん90分程度のOVAで全てを網羅してるわけではなく、アニメではややこしい時間軸やこの“神”に絡む設定は明かされない。だがなんと…フロアがリセットされて“やり直し”されるところで終わるという…いやーわずか90分で攻めるなー。
OVAだけではイマイチ分からない事だらけだけど結構楽しい。

80年代OVAらしくエロもちょろちょろあって昭和感にほのぼの。今作はせいぜい裸とか水着のシーンが丁寧に描かれているだけだけども。
あと色彩がいちいちサイケデリックで、アメコミっぽいクドさが魅力でした。中々見ないカラフルさだった。
ちなみにエンディングテーマが阿木燿子作詞。最後まで愛すべき昭和感。
青二歳

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