おとうちゃん

日本で一番悪い奴らのおとうちゃんのレビュー・感想・評価

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)
3.2
題名をよく見て気が付いた...悪い奴は一人じゃない!

実際に起こった稲葉事件をモチーフにした問題作。

稲葉事件とは2002年7月に北海道警察の生活安全特別捜査隊班長である稲葉圭昭警部が覚せい剤取締法違反容疑と銃砲刀剣類所持等取締法違反容疑で逮捕、有罪判決を受けた事件である。

人間様が生きている限り平和な世界はありえない。
所詮 世の中クソだらけ。それなら便所に飛び込んでS(スパイ)を作り、クソにまみれて手柄を立てろ。
目が笑っていない天性の悪役顔ピエール先輩、ピカピカの新人にとんでもないこと教えちゃって...ここでも やっぱり‟凶悪”だわ(゚Д゚;)

先輩の教えに従って「手柄を立てまくって日本で一番の刑事になってやる」って言いながら気が付けば‟日本で一番悪い奴”になっちゃった、あまりに純粋すぎる男の話。

当時の報道では稲葉が一人悪者のように扱われていた記憶があるが映画を観ると印象が違う。
悪い奴は、コイツだけじゃない。

北海道警察ぐるみの悪事の数々。
拳銃、麻薬、そして女...やりたい放題 し放題!

凄い勢いで間違った方向に突っ走った方向オンチな男、稲葉をモデルにした諸星要一を綾野剛は身体を張ってみごとに演じている。


余談ではあるが…
出所後、稲葉は暴露本を出して一儲けした後、探偵事務所を設立して、かなり羽振りもいいらしい。

そんな稲葉を題材に、前代未聞!日本警察史上 最大の不祥事をエンタメにして儲けようなんて。
白石和彌さん...あなたは日本で一番悪い監督だ!