似太郎

ガキ帝国の似太郎のレビュー・感想・評価

ガキ帝国(1981年製作の映画)
4.6
【天下取ったるでェ〜!】

井筒和幸の真骨頂で『パッチギ!』の原点。関西地区に住む不良少年たちと在日コリアンによる喧嘩をエネルギッシュに描破したATG映画。

日本映画界の暴れん坊、井筒のおっちゃんのバイタリティ溢れる関西人の描き方や暗い情念、日常に潜む暴力性などが比較的地味でアートっぽく描かれている。

綺麗事ゼロでひたすら男っぽい悪ガキ映画。スコセッシの『ミーン・ストリート』に似てる。逮捕される前の島田紳助の若き日の名演も見所の一つ。脚本は西岡琢也。

最終的に誰も救われずに映画は終わるのだが、井筒監督ってゲラゲラしたおっちゃんのように見えて実は冷徹なペシミスト?みたいな感じがする。この映画を観る限りでは。

キタに住む若者達の容赦ない抗争劇であり、「でっかいことがしたい!」野望を抱えた不良共の儚い青春の一ページ。北野武の『キッズ・リターン』とはぜんぜん趣向が異なる作品である。男の勝負や!👊
似太郎

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