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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のNoAceJustYouのレビュー・感想・評価

4.2
2021/7/18鑑賞。85点。

〈あらすじ・ネタバレあり〉
銃乱射や自爆テロを実行する保守派のテロ組織【アル・シャバブ】。
イギリス軍は、組織の幹部であるアブドゥラとアイシャのハディ夫妻がケニア・ナイロビに現れるという情報をキャッチする。
イギリス人として生まれながら、保守派の狂信的なイスラム教信者になったアイシャはテロリストの中でも特に大物とされていた。
さらに【アル・シャバブ】に加入したばかりの、アメリカ人とイギリス人の新規戦闘員2名も夫妻と落ち合うことがわかる。
4名が落ち合うのは、【アル・シャバブ】の協力者・アフメドの屋敷。

イギリス軍とアメリカ軍、現地のケニア当局による合同作戦が決行される。

イギリス軍の大佐キャサリン・パウエルが作戦の現場指揮をとる。
アメリカ軍のワッツ中尉、ガーション航空兵がミサイル搭載型の追跡機【リーパー】の操縦士としてキャサリンの指示に従うことに。

ケニアの特殊部隊がテロリスト4名を捕獲するため、英米軍は屋敷を上空から監視するという作戦。
だが、一番の大物であるアイシャを確認できず、突入は一旦中止となる。
アブドゥラと新規戦闘員、もう一人の顔が確認できない人物を乗せた車がアフメドの屋敷を発ち、あるエリアで停車して民家に入る。

英米軍が上空から追跡すると、そこは【アル・シャバブ】が支配下に置く地域だった。
ソマリア系ケニア人の工作員ジャマ・ファラをバケツ売りに扮装させて支配地域に潜らせ、彼に小型の昆虫型ドローン【ビートル】を操作させる。

【ビートル】を通して、アイシャの顔を確認したキャサリン。
隠れ家には爆弾ベストがあり、過去の自爆テロに使用されたものと同じものだった。

当初の任務は4人のテロリストの捕獲だったが、キャサリンは作戦責任者のフランク・ベンソン中将に暗殺の許可を求める。

ベンソン中将を含める作戦本部。
決定権を持つウッデール閣外大臣が「アメリカ人とイギリス人の暗殺の責任を負いたくない」ということで、シンガポール滞在中のウィレット外務大臣に暗殺許可を求めろと指示を出す。

その一方で、キャサリンは部下にミサイル攻撃による被害範囲の測定を指示する。
その後、キャサリンはワッツ中尉に連絡を取り、上空に控える【リーパー】のミサイル発射準備をするよう命令。

ウィレット外務大臣もまた、責任を負いたくないということで、北京滞在中のアメリカ国務長官の許可を取れと。国務長官は、暗殺を認めると即答。
※イギリスがたらい回しの対応を進める中で、アメリカ国務長官が「アメリカ人であろうとテロ組織に入った時点で、我々の敵だ」と即答する決断力はスカッとする!

暗殺作戦が許可され、ワッツ中尉は【リーパー】によるミサイル発射の最終準備を整える。しかし、テロリストたちの隠れ家の前でパンを売る少女・アリアの姿が確認される。
【リーパー】を操縦するワッツ中尉はキャサリンに反論し、再度被害範囲の算出を依頼する。

キャサリンの指示で、工作員・ジャマはアリアからパンを買い占めることに。パンが売り切れれば、アリアは家に戻るからだ。
パンを購入してると、ジャマは支配地域に潜入するときに一悶着を起こしたテロリストと再度衝突。
ジャマはテロリストにパンの入ったバケツを投げつけて逃走する。
パンが地面に捨てられてしまったため、そのパンを再度売り始めるアリア。
ジャマはテロリストの追跡をかわして身を隠す。

キャサリンが部下に算出させたところ、アリアがパンを売る場所だと、ミサイル攻撃による死亡率は65%。
作戦本部はウィレット外務大臣と連絡を取るが、"ミサイル攻撃の決定権は首相にあり、その首相は演説中だ"と回答を先延ばしされる。
やっと連絡がついたと思ったら首相は、"付随的損害を最小値にしてからではないと作戦は認められない"と。

どうしても暗殺作戦を決行したいキャサリンは部下に圧力をかけ、アリアの死亡率を45%に抑えられるミサイル着弾地点を無理やり導き出させる。

ワッツ中尉は、キャサリンから修正した着弾点の地図を受け取り、ミサイルを発射する。
その動きを知らない工作員・ジャマは少年に声をかけ、金を渡してパンを買ってきてと頼む。
パンが売り切れたことでその場を離れるアリア。
そこにミサイルが着弾する。アリアは息をしている。
1発目のミサイル攻撃でアイシャが生き残ったことを確認したキャサリンは、再度ワッツ中尉にミサイル発射を命令。2発目が着弾し、テロリストの暗殺は成功。

キャサリンは部下に、「アリアの死亡率は45%」にして報告書を上げろ、と再度指示する。

アリアの父親は着弾の被害を受けた娘を抱きかかえる。そこに軽装甲機動車に乗ったテロリストが現れる。父親はアリアと一緒に軽装甲機動車に乗せてもらうと病院へ向かう。
医師の治療も虚しく、アリアは病院で息を引き取る。
もちろんそのことを、英米軍は知らない。
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