白石晃士監督ワールド全開で描く伝説のJホラーキャラクター同士の戦い!
白石監督作品の楽しみ方を知っていてそれが割と好きなもんだからどんな人にどんな風にオススメしたら良いかよくわからない!!
謂わばそのカオスが魅力です。
『大学生の主人公が親友から頼まれて両親の結婚式のビデオをDVDに焼き直しするためビデオデッキを求めて訪れた中古屋にて呪いのビデオの入ったビデオデッキを買ってしまい、親友が呪いにかかってしまう。
一方ではもう1人の主人公である女子高生が呪怨の佐伯家の近くに引っ越して来て、ひょんなことから足を踏み入れてしまう。
なんやかんやで手がつけられなくなった2つ呪いをとある霊能者コンビの助言により互いにぶつけ合うことで祓うことになる。』
と言うのがあらすじ。
展開のスピード感が一つの魅力で、呪いのビデオの呪いの執行が7日後から2日後に変更されていたりやたらとフィジカルが強くて容赦なく処刑を執行する佐伯親子など、スムーズに2つの呪いを対決に差し向けるべく2つの原作にあるようなサスペンス要素はほとんど廃されているよ。
そのテンポ感たるや暇があったら時々見返してるぐらいだよ。苦にならないからね。
原作にあるような不穏な空気を演出するテンポ感を求めている人にはもはやギャグに見えるぐらいなのでここでまず評価がわかれるかもしれないね。
この作品はというか白石監督の作品に見られる特徴なんだけど、Jホラーによくあるような普遍的な心理的恐怖感を煽る演出などが無くてその代わりに盛り上げる要素としてビジュアルの強さやキャラクターのインパクトを重視している節があるので、そこで戸惑う人もいるかも。
慣れるとそれらのテンポ感やキャラクターの濃さが癖になって唯一無二の魅力に感じられるんだけど、だからこそこの作品がオススメしにくい部分でもあるね。
この映画の魅力は何と言っても漫画から飛び出したような濃ゆいキャラクターの霊能者だね。
有名敏腕霊能者の法柳や、盲目の少女とおっさんの霊能者コンビである珠緒&経蔵コンビなど、これらのキャラクターはアクションや台詞回しも外連味が効いてて最高。
特に法柳の除霊シーンの勢いは初見の人が見れば唖然とするだろうけど白石監督作品を知っていれば爆笑ものだよ。
是非注目してほしい。
これらのキャラクターが気に入ったならこれを入り口に他の白石監督作品も見ても良いかもね。楽しめること間違いなし。
オチも面白くて個人的にはとても好きな作品だけどネームバリューが大きいだけに手放しではオススメできない厄介な作品でもある。
正直ホラーとして見ても怖いところはちゃっかりきっちり怖く出来てるし、コメディとして見てもそこそこ面白いのでタイトルに期待するようなものは出てこないことさえ留意していれば意外と事前知識が無くても楽しめるかも知れないね。
白石晃士監督に期待しているものは思った以上にもらえたので自分は大変満足です。