あまでうす

貞子vs伽椰子のあまでうすのレビュー・感想・評価

貞子vs伽椰子(2016年製作の映画)
1.0
例えると、今まで呪怨もリングも見たことない人に対して、「伽倻子っていうのは、あぁぁぁって言いながら這ってくる血まみれの幽霊で、貞子っていうのは呪いのビデオを観た人の前に現れる幽霊なんだよ。」とだけ説明して、じゃあそんな幽霊たちが出てくる映画を自由に作ってごらんって言って作らせたのが本作です。

ストーリーとしては、貞子に呪われた女子大生と伽倻子に呪われた高校生が合流し、お互いの呪いをぶつけ合えばお互いに呪いを打ち消し合うんじゃね?っていう確証0の手段を試みる
という話です。

本作の惜しい点は何より、過去作との関連性が全く無いことです。例えば「リング」と「呪怨」の役者を再起用したり、あるいはそれぞれの過去作の登場人物との繋がりを示したりすれば、少なくとも昔からのファンを引き込めたかもしれませんが、全くそんな繋がりはないのでファン映画ですらない。(呪いの家は、ビデオ版呪怨の頃からの所沢のスタジオじゃないし、貞子の井戸と思しきものが呪いの家の裏手にあるし、本作の呪いのビデオは「リング」の呪いのビデオと映像が違うし、もう世界観がめちゃめちゃ)

唯一、森重教授という人がやたら呪いのビデオに固執してるので、てっきりあの伊熊博士と遠縁の親戚とかそんな設定なのかなと期待していましたが、全くそんなことはなかったです笑

なので、この映画がどういう層に向けた作品なのかわかりませんでした、、
仮に、「呪怨」も「リング」も観たことない人に向けているのであれば、伽倻子と貞子の過去についてもっと触れないと、どちらもジェイソンと同列の”単に追ってくる化け物”としか思われないだろうし、古参向けなら(上述したように)余りにも過去作と関連性が無さすぎる。

伽倻子と貞子というビッグネームを使いながら、ここまで取っ散らかった作品にしてしまったという意味では、残念極まりない。
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